ことばと言葉
あの時はただ覚えたばかりの単語をつなぎ合わせて、頭の中で何度も何度も唱えていた。本当に悪気もなく。
まだ脳内にとどまっていてくれたらよかった。
それを脳内から飛び出した瞬間、凶器と変貌することを言葉を覚え出した私には分からなかった。
「」
母にとても叱られた。そして、どうしてそんなこと言うの?何かあったの?外では言ってない?と質問づめになった。
幼稚園でも元気な方ではない。むしろ無口で1人で砂いじりをしているような、今で言う「陰キャ」だ。あまり人とも絡んでいないし、今思えば、友達に遊ぼうと誘っても断られてしまう。自分自身は変わっていたのかもしれない。ただ、その時の私は、周りの子より思考が冴えていると密かに思っていた。
そんな私はふと、家の中にあった滑り台の下で、歌を歌うかのようにその言葉を言っていた。
まるで、刃物を笑顔で振るい、次々と人を血の海へと落とし入れていくかのように…