【コスパ重視】プロカメラマンが選ぶ取材撮影用の機材
こんにちは、たけです。今回は、これから取材撮影を始める方へ向けた、必要最低限かつコストパフォーマンスの高い機材選びについて解説します。機材は本当に多くて、全部揃えようとすると悩むばかり。「何から揃えたらいいか分からない」「なるべくコストを抑えたい」という方にとって、今回はお役に立つ内容になればと思います。
カメラボディの選び方と予算別おすすめ
カメラボディを選ぶ時に重要なのは、画質・操作性・価格のバランスです。僕が今使っているのはSONY α7Ⅳで、暗い場所でも撮影がしやすく、ピントを自動で合わせるオートフォーカス機能も速いので動きのあるシーンでもしっかりピントが合います。ただ、初心者にとっては少し高価なので、もう少し手の届きやすいモデルも紹介します。
センサーサイズの違い:フルサイズとAPS-C
カメラ選びの際にチェックしてほしいのがセンサーサイズです。センサーサイズはカメラの「目の大きさ」にあたる部分で、大きいほど光をたくさん取り込めるため、画質やボケ味が良くなると言われています。
基本的にどの場面にも対応可能なフルサイズがおすすめですが、軽量さやコスト面で優れているAPS-Cサイズも選択肢としてありです。今回は、僕も使用しているフルサイズのカメラとレンズを紹介します。
フルサイズセンサー:プロが好むサイズで、特に低照度での画質が良く、被写体を自然に浮き立たせやすい。取材やインタビュー、ポートレート撮影にぴったり。
APS-Cサイズセンサー:フルサイズに比べてセンサーが少し小さいですが、カメラがコンパクトで軽量になりやすく、価格も手頃です。予算を抑えたい場合や、持ち運びの負担を減らしたい場合におすすめです。
予算別おすすめカメラ(フルサイズセンサーモデル)
▼10万~20万円
SONY α7 II
価格帯: 約15万円前後
おすすめポイント: フルサイズ入門機として人気が高く、コストパフォーマンスに優れています。
▼20万~30万円
SONY α7 III\おすすめ/
価格帯: 約25万円前後
おすすめポイント: 静止画・動画ともに高品質な撮影が可能で、幅広い撮影シーンに対応します。
SONY α7C
価格帯: 約28万円前後
おすすめポイント: 持ち運びやすさを重視する方に最適で、旅行やスナップ撮影に適しています。
▼30万円以上
SONY α7 IV\おすすめ/
価格帯: 約33万円前後
おすすめポイント: 高解像度と高感度性能を兼ね備え、静止画・動画ともに高品質な撮影が可能です。
センサーサイズの選択は撮影スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。フルサイズなら、被写体を引き立てる写真や低照度での撮影が得意ですし、
APS-Cなら旅行やイベント撮影など、軽量性とコスパを重視したい場面に適しています。
レンズの種類と取材に適したレンズ
レンズは撮影スタイルに合わせた選び方が重要ですが、初心者の方ならズームレンズ1本があれば十分です。予算のある方は追加で単焦点レンズも1本購入しましょう。今回は、僕が普段使用しているSONYのα7シリーズ(フルサイズセンサーカメラ)におすすめのレンズを紹介します。
ズームレンズ(1本で幅広く対応):TAMRON 35-150mm F2-2.8、SONY 24-105mm F4 G OSSなどがおすすめ。広角から望遠まで1本でこなせるので、取材での汎用性が抜群です。予算を抑えたいならタムロンの28-75mm F2.8などがおすすめです。どれか1本を持っておきたいところです!
単焦点レンズ(被写体を引き立たせる):SONY 50mm F1.8。ポートレートに最適で、予算を抑えつつ背景をぼかした美しい写真が撮れます。更に画質やボケ感を追求したい方は、GレンズやGMレンズなど、ハイスペックなレンズに挑戦してもいいかもしれません。
照明機材のセレクトポイント
まず、取材やインタビュー撮影で使う照明として、僕が勧めたいのはストロボ(スピードライト)です。結婚式などでカメラマンがカメラの上に載せている光るやつですね。ストロボは、室内や薄暗い場所で撮影するときに役立つ便利なアイテムで、一瞬だけ光を放って写真を明るく仕上げてくれます。
初心者には「オンカメラ」で手軽に使えるストロボから始めてみよう
初めてストロボを使うなら、まずはカメラの上に取り付ける「オンカメラライト」から始めると良いでしょう。オンカメラライトの利点は、カメラと一体化するので手軽で準備が簡単なことです。取材現場でもサッとセッティングでき、カメラを構えるだけで自然に光が当てられるため、初心者でも扱いやすいです。
例えば、僕がよく使っているGodox V1は小型で操作がシンプル、持ち運びやすいので、初めてのストロボとしてもおすすめです。もう少し予算を抑えたい場合は、Godox TT600なども使いやすいので、初心者の方にはこのあたりが良いでしょう。
オフカメラシューティングでさらに表現の幅を広げる
実は、ストロボにはもう一つの使い方として、「オフカメラシューティング」という方法があります。オフカメラシューティングとは、カメラからストロボを外して撮影すること。こうすることで、自由に光の方向や角度を調整できるため、被写体に立体感や自然な陰影が出せるんです。
プロは大抵、「オフカメラ」で撮影をします。オフカメラの方がより柔軟でドラマチックなライティングが可能になるからです。例えば、インタビュー写真で被写体の表情を際立たせたいときなど、オフカメラで光の向きを調整することで、その人の個性や雰囲気を引き立てることができるんですね。
最初はオンカメラで、キレイに明るく撮ることから慣れていき、少しずつオフカメラの使い方も試していくのがおすすめです。この「オフカメラ」の技法は奥が深く、ライティングの工夫で写真が一変するので、今後ストロボの使い方やオフカメラの具体的なテクニックについても記事で詳しく解説する予定です。お楽しみに!
持っていると便利なアクセサリー
取材撮影では、意外とアクセサリー類が仕上がりの安定とスムーズな進行に役立ちます。ここでは僕が使っているアイテムを紹介します。
アンブレラ:UNPLUGGED STUDIOの36インチホワイトアンブレラ(UN-039)と41インチ用ディフューザー(UN-022)。光を柔らかく広げるので、人物撮影での肌の質感を自然に引き立たせたいときに効果的です。
※アンブレラでの撮影は、基本的にオフカメラシューティングでの撮影になります。次回以降で詳しく説明します。
また、オフカメラシューティングでアンブレラを使う際には、以下の2点が欠かせません。
ライトスタンド:アンブレラやストロボを固定するためのスタンドです。ライトスタンドがあれば、光の位置や高さを自在に調整でき、安定したライティングが可能になります。軽量で持ち運びやすいものから、風に強い重めのものまで用途に応じた種類があり、屋外撮影では特に頑丈なものが役立ちます。
スナップチルトヘッド:アンブレラやストロボをライトスタンドに固定するためのアタッチメント。スナップヘッドを使うことで、アンブレラの角度を細かく調整でき、光の当たり方を自由にコントロールすることができます。多くの場合、上下や左右に向けることができ、光の方向を変えることで、より立体的なライティングが可能になります。
これらのアクセサリーが揃うと、オフカメラでのアンブレラシューティングが安定し、より意図的な光の演出ができるようになります。
レフ板:自然光や反射光をコントロールするために、屋外撮影時にも便利な大型レフ板を1枚持っておくと、被写体の表情やディテールを際立たせることができます。特に、透過タイプで大きいものを1つ持っておくと、非常に便利です!
予備バッテリーとメモリーカード:撮影途中で電源や記録容量が足りなくなると大変です。僕はProGradeの256GB SDカードを愛用していますが、SanDiskなど信頼性のあるものなら安心です。バッテリーも予備を多めに準備しておきましょう。
レンズペンとブロワー:レンズに付着したホコリや指紋は、画像のクオリティに影響します。HAKUBAのレンズペンとETSUMIのロングショットブロワー(VE-5312)で、レンズやカメラのクリーニングは欠かせません。
センサークリーニングキット:センサーの汚れは写真に直接影響を与えます。僕はK&F Conceptのセンサークリーニングスワブ(24mm、20パック)を常備し、必要なときにサッとメンテナンスできるようにしています。
※センサークリーニングキットは、お持ちのカメラのセンサーサイズに合わせて購入しましょう。上記はAPS-Cサイズには適していません。
これらのアクセサリーが揃っていると、どんな撮影現場でも対応しやすく、安心して撮影に集中できるはずです。
単発の撮影ならレンタルで済ませるのもアリ
単発の撮影や機材のお試しには、レンタルもひとつの選択肢です。東京カメラ機材レンタルのようなサービスでは、ボディやレンズを最短2泊3日から数千円程度でレンタルできるので、費用を抑えたいときに便利です。
僕は駆け出しの頃は高価な機材を購入できず、よく利用していました。最新のカメラやレンズもラインナップされているので、購入を迷っている場合はレンタルで試してみるのもおすすめです。
今回紹介した内容が、初心者の方の「どの機材を選ぶべきか」のヒントになれば幸いです。次回は、実際に撮影現場でどの機材をどのように使っているのか?についてお話しする予定ですので、こちらも楽しみにしてください。