壱百満天原サロメさんを尊敬した話。
ここ数ヶ月、様々なVtuberの方の配信や切り抜きを拝見するようになった。
恥ずかしながらリアルの方でメンタルをやられる出来事が重なり、それをきっかけに「つらいときでも楽しく思える物事を無理なく増やしたい」と思い、手を出してみたもののひとつがVtuberさんの動画の視聴だったのだ。
VtuberはTwitterのフォロワーさんに詳しい方が複数人おり、その方たちの推し活が素直に楽しそうだったことも踏み込むきっかけになった。
以前はゲーム実況やもふもふ映像ばかりだったYoutubeのオススメ動画へ、最近は頻繁にVの皆様が登場するようになり、うーん染まってるなと思う今日この頃。
そんな私の推しVtuberさんのうちの一人、壱百満天原(ひゃくまんてんばら)サロメさんの話を今日は記しておきたい。
サロメさんとマスターデュエル
壱百満天原サロメさんを認知するようになったきっかけも、例に漏れずTwitterの友人のツイートからである。それはもう何年も前のことで、特に普段はそういった系の話をしない彼がいきなりそんな話をし始めたものだから「えっそんな面白いんかその人…」と思ったことをよく覚えている。
そういう風に推されていた記憶が今も残っていたので、「多分この人はオモローなんじゃないだろうか」という期待をもって配信を拝見し始めたのだ。
そんな矢先の出来事だった。
サロメさんが遊戯王マスターデュエルの配信を始めたのだ。
遊戯王マスターデュエルは、遊戯王OCGをデジタルカードゲームとして遊べるようにしたゲームである。約2年前からマスターデュエル(以下、MDと表記)を遊んでいる私には、これはとても驚くべきことだった。
サロメさんが所属しているにじさんじでも熱心にコラボが行われているし、そういうコラボもいつかはあるかなとは思っていた。が、サロメさんが本家遊戯王の方のコラボ企画に呼ばれたことがきっかけでそのゲーム配信が突然始まることになり、そのサプライズを本当にとても嬉しく思った。
サロメさんは本当に何もわからないまま遊戯王の世界に飛び込み、順調にチュートリアルを終え、よくわからないなりに初期デッキで奮闘し、闇遊戯の声真似を披露して笑いを誘い、アンデッド系モンスターのストラクチャーデッキを購入して楽しんでいる様子をのびのびと配信していた。
初心者のプレイングからしか得られない栄養素が満遍なく充満しており、このままじっくりと遊戯王の世界を好きになっていってくれればな、と思いながら私は見守っていた。
そんな最中、例の事件は起こった。
詳細を語るのはあまりにもアレなので簡潔に言うと、「視聴者と対戦するコーナーを設けたところあるプレイヤーから徹底的な遅滞舐めプをされ、40分以上も水すら飲めずに貼り付けにされることを強いられた」という事件がおきたのである。
そんな放送事故ですらエンタメにしようと必死にがんばり、対戦後には相手のプレイングのフォローまで行うサロメさんだったが流石に苦しく、視聴者もなんとか必死で励まそうとするようなコメントで溢れかえってしまうような有り様だった。
エンターテイナーとしては歴戦であるであろうサロメさんとはいえ、遊戯王に関しては始めて数日の初心者にこれを強いさせた対戦相手のことを私は本当に残念に思った。
デュエル終了後、サロメさんも限界だったのか「◯◯(対戦相手のデッキテーマ)は今後絶対に使わねぇですわ!!!」と吠えており、そりゃそうだよなぁと心の底から同情した。
ボコボコからの這い上がり
恥ずかしながら、私にも以前似たようなことが起こったことがある。
MDサービス開始したての頃の話だ。
その頃の私は完全にその時のサロメさんと同じような状態で、ただただ強いカードを並べて殴ることしかできなかった。
モンスター効果で場を回すことや有用なカードが何かの知識もなく、はるか昔(遊戯王原作漫画連載時)に好きだったテーマのカードを適当に集めたデッキを回していたら、対戦する相手の皆さんから本当にいいようにあしらわれ続けた。ある美少女テーマに手も足も出ずコテンパンにされたことは、今でも本当によく覚えている。
流石にしばらくは凹み、何をどうすれば強くなれるのかゆっくり勉強することにしてしばらくMDからは離れたものだった。有り体に言うと「嫌なことから距離をおいた」とも言える。
その後、半年の自主勉強とTwitterの友人から紹介されたテーマカードを握ることで華麗にMDへ復帰し、今ものんびり自分のペースで遊べるに至っているのだが。
(復帰関連の話はこっちでまとめているので、お暇な方はどうぞ)
そう、私はそこから立ち直るのに半年かかったのだ。
サロメさんはすごかった。
それだけ不快なことをされてなお、その対戦の直後に
当該デッキテーマを当面の仮想敵に据えることを決意し、
雪辱を誓う宣言を堂々と行う
という驚愕のムーブを見せ、その3日後に行った配信では様々な方からのアドバイスを受け自分のデッキを改造し、同テーマを持ち出してきたリスナーとの対戦で見事一矢報いたのである。
それが仕事、それが当然。配信者ならそれくらいやれなくてはとおっしゃる方もいらっしゃると思う。自分の配信を見ている人が、自分がどうすればよいか相談できる人がいるからこそできることでもあるのかもしれない。
でも、同じことを半年燻ってからようやっとできた私からすれば、一瞬でそちらの意識に切り替えることができたサロメさんは本当にとんでもない人だと思う。エンターテイナーの鑑ですやんこんなの。
この一件で、私はサロメさんをガチで尊敬するようになった。
「愛する」ために
サロメさんはその配信でしきりに、「〇〇を愛するために倒す」という言葉を語られていた。それも本当にすごいと思う。
サロメさんをボコボコにしたそのテーマを心から好きで使っている決闘者も、サロメさんにそのテーマで遊んでほしかった遊戯王ファンも勿論いる。その人達にとってはそんな形で目の敵にされることは非常に不本意であり、歯がゆい思いをすることになったのは明らかだろう。
リップサービスの一環であるのかもしれないが、その後の向き合い方も含めてこの言葉でいくらかでも救われた人はいたのではないかと思う。
願わくば今後、サロメさんが遊戯王MDをどのような形でも、どれくらいの長さであっても「心から愛して、楽しんで」もらうことができればと切に願う。
私?今日もいつものデッキを握ってランクマにいってきますよ。
どんなテーマも「愛する」ために。尊敬する人から学んだ姿勢で。
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