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三陽商会の変遷〜アパレル業界の変化〜


これまでの歴史

三陽商会の歴史と転換点
  • 三陽商会の略歴

  • 1951年
    レインコートの販売大手として頭角を表した。

  • 1959年
    コート販売を始め総合アパレルメーカーとして成長していく。

  • 2015年
    バーバリーとの契約が切れたことにより業績は悪化していく。

近年の三陽商会の状況

  • バーバリーとの契約が切れて以降、かなり厳しい業績となっている

    • 2016年以降はこれまでと比べて約35%売り上げが下落、調子を取り戻し始めた2020年にコロナ禍の影響で最後の全盛期であった2014年と比べて60%以上の売り上げが失われている

    • 昨年から少しずつ売り上げを取り戻している

 
 
過去10年の売り上げの推移(グラフ)

売り上げ回復の為の三陽商会の施策

  • 自社ECの拡大

    • 拡大を大きく見込んでいるのが自社ECであり、現在54億円(年間)の売上をあげている。成長見込みとしては2025年には71億円の売上を見込んでいる。

    • 自社ECを伸ばすための施策

      • UIデザインの改善

      • 店舗LINEの実装をしてECに繋げる仕組み作り

      • 越境ECやライブコマースの実装でインバウンドでの販売も強化

他社との比較

①ファーストリテイリング

コロナ禍でもぶれることなく着実な成長を続けている、業界の最大手。

ファーストリテイリングの略歴

  • 1945年
    小さな紳士服として始まる

  • 1985年
    ユニクロをオープンして、89年に中国の工場を確保することで      安価に大量生産を可能にする近年のスタイルを確率した

  • 1991年
    会社名をファーストリテイリングに変更。SPA(製造小売業)と              しての地位を確立させていく

コロナ禍の打開策

  • コロナ禍においても経営に大きな打撃を受けることなく成長していったファーストリテイリングの策としては以下のような特徴があった

    • 商品の買い手としてのメインが日本人ではなく中国人である

      • コロナの収束が早かった中国ではコロナが拡大した翌年には前年比の9%増しに成功している

過去10年の売り上げの推移(グラフ)

②ナイガイ

三陽商会と同じく老舗アパレル企業として有名。

ナイガイの略歴

  • 1920年
    名古屋市に靴下の製造販売を目的として内外編物株式会社を設立

  • 1976年
    YSLの紳士用ソックスを販売したことから靴下のファッション化において先駆的な取り組みを行う。現在にわたって多くのブランドのライセンス生産を行う。

  • 1985年
    社名を株式会社ナイガイに変更し、レッグソリューションカンパニーとしてソックス以外の脚に焦点を当てた商品を販売している。


  • 主な事業内容としては、ストッキングの製造で、国内外問わず多くのアパレルブランドのストッキングを製造している。
    以下主なアパレルブランド

    • lalph lauren

    • calvin clein

    • emporio armani

    • lanvin

    • puma など

  • 多くのアパレルブランドと同じくコロナで大きく落ち込んだ売り上げだが消費者の買い方の変化に合わせて、ECや高齢者向けのカタログ販売など実店舗以外の販路を拡大することで徐々に売り上げを取り戻している
     


過去10年の売り上げの推移(グラフ)

個人的な三陽商会の今後に向けた展開案


三陽商会の課題は、バーバリーとの契約がきれ、
落ち込んでしまった売上を立て直すことである。
私は、新しい販売戦略に注力すべきではないかと考える。
 
現在三陽商会が実店舗ではなく
ECへの注力をしているのは、
戦略的に正しいとは思う。
これはどこのアパレルブランドも
力を入れている部分であって、
特別なことをしている訳ではない。
 
むしろ三陽商会のような大規模な
アパレル企業にしては
遅すぎると言っても過言では無いように感じる。
 
なので、ECへの注力は前提として、
ただ、新商品を売るだけではない
アパレルブランドの展開方法を考えてみた。

それは以下の2つである。

  • 自社製品サブスク展開と自社製品リユース展開

  • 今後の店舗の在り方

小売という形態に留まっているだけでは
現在の状態から抜け出すことは難しいと思い、
親和性の高い形態についていくつか調べてみた。
 
その中でも、今現在伸びていて、
今後も市場規模が大きくなるであろう
サブスク、リユースの2つの
形態を取り入れることを考えてみた。
 

今までのサブスクの傾向からして、
複数のブランドをどこかの企業が囲い込んで
サブスク展開していく事例が多くみられた。
 
三陽商会が自社製品限定での
サブスクへの展開はおもしろいと思う。
 
複数のアパレルブランドを持っていて、
そのどれもがそれぞれの魅力がにあることに加え、
購入するにはなかなか手が出しにくい

価格帯の商品だからだ。
 
ただ、サブスク運用だけをしていては在庫が
減っていかなくなってしまう。
その問題点を解決するのに重要なのが、
リユース展開である。
 
自社の製品をサブスク化して、気に入った商品があれば購入、
逆に不人気な商品や複数回レンタルを繰り返した物は
リユースでの販売など幅広い売り方で
展開していく。
それができれば、
消費と生産のサイクルができて
有用性が広がるのではないかと思う。
 
最後に今後の店舗のあり方について考える。
個人的な考えでは今後の実店舗は
「売る場所」ではなく、「試す場所」として
価値を見出せるのではと思っている。 
 
「ECからの予約をして店舗で試す、店舗で試着してその場でECにて購入
もしくはサブスク登録で自宅に気に入った商品を届ける。」
というシステムを作り出せれば、
単価の高い商品でも、
消費者のハードルを上げることなく
商品を広めていくことができると考えた。
 
また、現状閉店していく店舗もある中で
閉じていく店舗を、ポップアップ店舗として、
リユースであったり、アウトレットとして
展開していくことも可能なのではないかと感じた。
 
実店舗とECショップをうまく掛け合わせることで
生産数を増やしすぎることはなく、
また各店舗で 大量の在庫を抱える必要もなくなるため
コストの増加や人件費なども
削減させることもできるのではないかと考える。 

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