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新規事業におけるカスタマーサクセス部門の立ち上げ方
みなさんこんにちは。橋本 大祐(@hashimoto_pres)です!
この記事は、カスタマーサクセスアドベントカレンダーの18日目の記事です!この企画の一環として今回はnoteを執筆することになりました!
よろしくお願いします!
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自己紹介
ハイジという組織サーベイツールのマーケティングとカスタマーサクセスの責任者をしています。
ハイジが今年の7月17日に本リリースしたタイミングでOKANにジョインし、8月より事業開発をしながらカスタマーサクセスの部門を立ち上げております。
今回のnoteのテーマ:「新規事業×カスタマーサクセス」
本日のnoteのテーマは、「新規事業×カスタマーサクセス」ということで、橋本がカスタマーサクセスの部門を0からどのように立ち上げたかをご紹介すると共に、そもそもカスタマーサクセスの役割とは何かをまとめようと思います!
新規事業ではないカスタマーサクセスの方にも何かしら気づきを与えられたらと思い全力で書きましたので、「スキ」をつけていただいたり、シェアしていただけると非常に嬉しいです!🙇♂️
それでは、カスタマーサクセスの説明からスタートです!
(前提)カスタマーサクセスが重要な理由
※CAC(顧客獲得コスト):1顧客を獲得するために費やした営業やマーケティングのトータルコスト
※LTV(顧客生涯価値):顧客がそのサービスを利用する上で投下した金額の総額
カスタマーサクセスはサービス導入後の顧客をフォローすることや成功に導くことで、「LTV」を最大化する役割を担います。
顧客を獲得するためにかけた費用(CAC)を回収するのはもちろん、事業として成長させていくためには、LTVはCACの3倍以上を目指していく必要があります。
※CACの回収は、6~12ヶ月以内も合わせて目指すのが良いと言われています。
参照:スタートアップのお金と指標入門講座:ユニットエコノミクス
このCACとLTVの関係を無視して活動をしてしまうと、売上は上がっているが「顧客を獲得するごとにお金を失っている」状態に陥る可能性があります。そうならない為にも、カスタマーサクセスが重要なのです。
(前提)カスタマーサクセスの役割
LTVを最大化させるため、カスタマーサクセスには具体的には下記のような役割を担います。(青のブロック)
※各企業によって定義/実施内容/組織形態は大きく異なります。
一般的にカスタマーサクセス領域の役割としては、
・オンボーディング(導入支援)
契約から設定までを滑らかに進めてもらうためのサポート
・カスタマーサポート
お問い合わせ対応やヘルプコンテンツの作成
・アダプション(活用支援)
より活用してもらうコンテンツ作り、休眠しないためのコミュニケーションを行う
・アップセル/クロスセル
顧客の課題に応じて、オプションや関連商材の提案
・カスタマーマーケティング
顧客の声を内外部に届ける
などがあります。色々書いておりますが簡潔にまとめると、
・お客様により長く使ってもらう
・課題に合わせてより機能や商材を組み合わせて(追加して)使ってもらう
ために必要なことをやっているという職種だという認識で問題ありません。
それでは、ようやく本題です!
新規事業におけるカスタマーサクセスの立ち上げを橋本の実例を元に紹介していきます!
すみません。これ以降の内容は有料とさせていただきます。
橋本の支援企業及び、これまでやり取りをしたことのある方は無料で提供しますので、橋本のTwitterにご連絡ください🙇♂️
1.顧客のサクセスを定義する
まずは、自分たちが提供するサービスを使ってもらうことで顧客にどうなってほしいのかを定義しました。
弊社の「ハイジ」というサービスは、組織サーベイツールなので、ハイジを使ってもらうことで、最終的に「組織状態を可視化して働きやすい組織を作る」状態が理想なのですが、ここで1つ注意があります。
自社のプロダクトでのサクセスは必ずしもお客様の理想と一致しないということです。
基本的にお客様はそのツールを使うだけだと仕事は完結しないためです。(プロダクトによりますが)
そのため、自社のサービスのターゲットとなる方を思い浮かべて
・お客様はどういう役割なのか
・その役割を全うする/成果を出す為の理想の状態はどういう状態か
・お客様の理想を実現するにあたり、自社のサービスが担えるもの(範囲)は何なのか
・その範囲の中で、自社のサービスに求められるものは何か←ここが今回定義する顧客のサクセスです!
※同時にお客様の理想を定義するのも重要です!
なので、ハイジに置き換えると、下の図のようなイメージになります。
お客様の理想を描きつつ、自社のプロダクトで提供できる範囲のサクセス(理想/ゴール)を定義しましょう!
(画像はイメージです!実際のものはイベント登壇時か何かの際にw)
※役務提供範囲をこの範囲に留めるということではなく、お客様は何を求めていて何が理想なのかを明確にするために範囲を限定します。
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
お客様の与えられている役割を想像し、その中で自社のサービスの役割を考えて、それに基づいて自社サービスのサクセス(ゴール)を定義した
2.サクセスロードマップを作成する
続いて取り組んだことが、サクセスロードマップの作成です!
サクセスロードマップとは、サービスの利用開始からサクセス(上記のもの)を達成するまでの道のりです。
ハイジでは、上記の画像のように
・ステージ
- ベンダー視点
- ユーザー視点
・具体的なアクション
・アクションの実行者
・使用するコンテンツ
をそれぞれ記載しております。
戦略上/セキュリティー上ここでは公開できませんが、上の画像が実際に私が作成したものです。
(イベントや対面でのお話であれば、一部はお見せできると思います)
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
サービスの導入からサクセスに至るまで「誰がいつ何をどうやって」やるのかを余すことなくまとめた
3.サクセスロードマップに沿って必要なコンテンツや機能を揃える
2で作成したサクセスロードマップに沿って必要なコンテンツを1つずつ作成。
新規事業の立ち上げと同時に作成を開始したので、契約開始の際に必要なコンテンツから順を追って作成しました!
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
サクセスロードマップに沿って、契約開始のタイミングから順に必要なコンテンツを漏れなく作っていった
4.マニュアルを作成する
3の必要なコンテンツを作成する中で、お客様にやっていただく設定の手順を紹介したマニュアルを同時並行で作成しました!
マニュアルは、初回案内の打ち合わせの際にお渡しをしており、これまでほぼ100%のお客様がマニュアルを見て初期設定を完了してくださっております😭
画像のように割と細かくステップを刻んで順を追って解説をしており、
・プロダクトの画面のキャプチャ
・URL
・図
・テキスト
等を使用し作成しています。
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
お客様がマニュアルを見ただけで、サポートに連絡することなく設定が完了できるぐらい順を追って具体的に手順をまとめた
5.サポートの機能を設ける
続いて、お客様のお困りごとやご要望をいただくための窓口として、
サポートの機能を設けました。
カスタマーサポートをやれる人が橋本しかおらず橋本も常時サポートに張り付くことができないため、「メールでのサポート」ができるツールを選択し、お客様からのお問い合わせを受け付けることにしました!
ただ新規事業の立ち上げのタイミングは、お客様の操作の様子、操作で戸惑う箇所、不明点などが想定しずらいので、実際にお客様の所にお伺いし横に座って操作の様子を見つつ、その場で不明点に回答することを経た方が、その後のサポートに活かしやすいと思います!
また、新規事業の立ち上げの際は、サポートに割くことができる人数もバラバラだと思いますし、プロダクトの特性によっても変わってくると思いますので、あくまでも参考までに橋本主観でサポートのツールの選定方法を紹介します。
(概要)
■電話
お客様が聞きたいことをすぐに聞くことができるが、お客様側の負担も大きく、お問い合わせの履歴も残らない(他のツールに残す必要がある)
■メール
リアルタイムでのやりとりには向かないが、キャプチャやヘルプページを紹介しながらの回答が可能。
■チャット
リアルタイムにテキストや画像などでやりとりができるが、お客様がプロダクトにいる間しかやりとりができないため、すぐに返信する必要がある
それぞれ、メリット・デメリットと最低限必要な人数も変わってくるので、各々の会社で判断してどのツールを選ぶかを選定してください!
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
サポートに割くことのできるリソースやそれぞれのコミュニケーションツールのメリット・デメリットを鑑みて自社のサービスに合うサポート体制を構築した
6-1.顧客のステージングを定義する
お客様の契約からサクセスに到るまでに必要なコンテンツやサポートの仕組みが構築できたら、次はお客様の状況を可視化する仕組みづくりに着手しました。(立ち上げ初期は必要ないが、顧客が増えてくると必要!)
初期の段階は、お客様がサクセスロードマップのどこで止まってしまうかがわからない為、まずは想定されるお客様のステージの遷移をイメージして作成しました。(画像はイメージです)
そして、それぞれのカテゴリを定義していきます。
この時に設定したのは、
A:複数回アンケートを実施しており、サクセス事例として登壇いただける
B:複数回アンケートを実施、事例などには非協力だが自走している
C:1回目のアンケートが完了、2回目のアンケートの前
D:契約して1回目のアンケートの前のタイミング
E:契約してから+前回のアンケート実施からNヶ月以上アンケートが実施されていない・ログインされていない
このようなものでした。
ゆくゆくはこのステージそれぞれにも名前をつけていく予定ですが、年末年始などにゆっくり考えますw
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
お客様の状況を可視化する為に、まずはどのように活用される/活用が止まってしまうのかを想定して遷移図を作成し、それに合わせてそれぞれの状況を言語化した
6-2.ヘルススコアのver1.0を作成
ステージングの定義と同時に手をつけたのがヘルススコア。
初期のヘルススコアは、
・アカウント状況の可視化
・アカウントが休眠になることの防止
・事例協力企業の選定
を検知するために、策定をしました。
最初は、何がトリガーになるか分からないので、それぞれのアクションを羅列しその中から、絞り込んでいく形で設計。(今後は、redashよりログインデータやプロダクト内の行動の要素も付け加えていく予定です)
ヘルススコアは1度作って終わりではなく、定期的に見直しが必要なので恐らく数ヶ月後には内容変わっているかと思いますw
🙋♂️気をつけたポイント🙋♂️
今後、随時更新していくことを前提にまずは「アカウントの状況の可視化」「休眠になることの防止」「事例協力企業の選定」の3つの軸でヘルススコアの項目を設定した
以上、カスタマーサクセスの部門立ち上げから約4ヶ月の間に取り組んできたことでした!
上記をやることで、お客様に導入いただいてからサクセスまでに必要なコンテンツをいつでもお出しできるようになったことや、それぞれのお客様がどういう進捗状況なのかも把握できるようになりました🎉
(まとめ)
1.顧客のサクセスを定義する
2.サクセスロードマップを作成する
3.サクセスロードマップに沿って必要なコンテンツや機能を揃える
4.マニュアルを作成する
5.サポートの機能を設ける
6-1.顧客のステージングを定義する
6-2.ヘルススコアのver1.0を作成
新規事業立ち上げフェーズの方もそうでない方も何かしらの参考になったのであれば嬉しいです!
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