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10月31日は衆議院議員選挙の投開票日!選挙と株価ってどんな関係があるの?

大和書房は『投資一年目のための経済と政治のニュースが面白いほどわかる本』(崔 真淑 著)を2021年10月21日に発売いたします。

【オビあり】投資一年目のための経済と政治のニュースが面白いほどわかる本

資産運用、はじめる人が増えています。

預けていてもあまり増えない預貯金ではなく投資でそれなりの額の資産を築きたい。コロナ禍の影響で、将来に不安を感じ、資産運用に興味を持った方も多いのではないでしょうか。

もうすぐ衆議院議員選挙ですが、選挙も株価に影響を及ぼします。

本書では、テレビ・ラジオで1000回以上ニュース解説してきた著者が、投資とニュースの押さえるべきキホンを、図解を交えてわかりやすく解説しています。

今回は本書より、選挙と株価の関係についてご紹介します。

政治景気循環とはなんだろう?

政治の動向と経済は、一見別のものと捉えられがちですが、経済学の理論では経済動向はリンクしている「政治的景気循環論」があります。

選挙のタイミングと財政・金融政策は重なりやすく、経済動向は与党の動向に左右されやすいという考え方です。

確かに、選挙が近づくと与党は財政支出を拡大して景気アップを目指しますよね。でも、無事選挙で政権が維持出来たら増税の話が浮上します。

このように政治や選挙のタイミングと経済の流れが非常にリン
クしていることは、データと計量経済学の手法を用いて実証され
ています。アメリカで行われた研究では、1957 年から2004 年のアメリカ大統領選挙の時期とアメリカの中央銀行ともいえるFRB(連邦準備制度理事会)による金融緩和のタイミングがリンクし、その動きが循環していると報告されています。つまり、4年ごとの大統領選のタイミングで景気の山と谷が発生しやすくなっていたというわけです。

政治と経済の流れがリンクしていると、研究でも実証されています。

内閣支持率は日経平均に影響あり?

ニュースでよく取り上げられる内閣支持率。この数字は日経平均に関係するのでしょうか?

統計数理研究所モデリング研究系教授の川崎能典氏の研究によると、内閣支持率から株価収益率への因果性は見られないそうです。

一方で、株価収益率から内閣支持率への因果性は統計的に有意にみられるとのこと。ただし、ごく限られた影響にとどまるというべき、と結論付けています。

「衆院選=株高」ってなんだろう?

できるかぎり政権を長期に安定させたい与党は、選挙前を狙って財政政策や金融政策を総動員することができます。すると、起業への好影響が期待されて株価が上がりやすくなり、その勢いで選挙に突入できるのです。
しばしばこのようなことが起きるため、「解散総選挙といえば株高」という連想が生まれます。

たとえば2014 年11 月18 日、安倍首相(当時)は、衆議院の解散と、消費税率の10%引き上げを17 年4 月まで延期することを表明しました。消費税については14 年7 ~ 9 月期のGDP(国内総生産)がマイナスだったため、このまま消費税を上げると個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなるため、延期を判断したという理由でした。また、国民生活に重い決断をする以上、国民に信を問うべきであると考えた、とも強調しました。
実は、安倍首相の発表前から消費税増税の延期観測は強まっており、消費財関連銘柄の株価はすでに上昇していました。11 月13 日に衆議院解散をめぐって与党幹部の発言が相次いだことが報道されると、株価は一段と上がりました。12 月14 日に行われた総選挙では、自民党が291 議席を獲得し圧勝しました。

実際にそうなるとは限らないですが、過去のデータでは解散総選挙になると株高になることが多いそうです。

ただし、投資家の買い判断は、経済政策のうち、実際に経済生産を押し上げる効果のある財政政策の規模と、その実効性が決め手になります。

政治家による選挙前の発言よりも、実際にどの程度の財政支出と事業規模の経済対策が行われ、補正予算がどう編成されるかのほうが、株価の値動きの材料になるのです。


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