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NewsPicks 執行役員 CXO に就任しました
掲題のとおり、2025年1月から株式会社ユーザベースの NewsPicks 事業執行役員 CXO(Chief Experience Officer)に就任いたしました。
昨年末の株式会社ユーザベースの経営および執行体制の変更に伴い、NewsPicks 事業には新たに文字(もんじ)が CEO に就任し、事業全体の経営体制も刷新。この流れの中で 2代目 CXO(初代は元編集長の池田)として任命されました。
就任に際して特に文章をまとめるつもりはなかったのですが、新CEOと新CTOの挨拶記事に触発されまして、新年の出だしに若干ディレイしつつも少し書いてみようと思います。
これまでとこれから
2021年10月に NewsPicks(ユーザベース) へ入社しました。以来3年間、プロダクトデザイン部門の責任者を務めてきましたが、今後はプロダクト全体(エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー)約100名の部門を統括することになります。
前職 Quipper・リクルートではスタディサプリの VP of Design として約40名ほどのデザイン組織を統括してきましたが、規模や範囲の広さを考えれば今回の役割は僕にとって非常に大きな挑戦です。正直に言えば、すべてをうまくできる自信はありません。が、やり抜く覚悟は持ちました。
このプロダクト組織のエンジニアチームには優秀な CTO とシニアリーダーたちがいるし、プロダクトマネージャーチームにも頼れるリーダーがいます。プロダクトデザイン組織は直轄で見てきたこの3年間で基盤を固め、メンバー個々のスキルセットも他社に引けを取らないレベルまで高められたと思うし、本当に誇りに思えるチームになりました。なにより最も近くで協働してきた信頼できるデザインリーダーもいる。
プロフェッショナルが集まる組織だからこそ、適切に人を頼り、助け合いたい。仲間を信頼し、権限を適切に委譲する。ただし、その責任は担当役員として確実に引き受ける。そういう自律的な組織にしていきたいし、出来るだけの練度はあると思っています。
責任は重大ですが、僕がやらねばという使命感もあるし、人生には踏ん張り時というものがある、それがまさに今。誰にでも巡ってくる機会ではないからこそ失敗を恐れず、まずは全力でやってみます。
CXO として何をやっていくか
note CXO の深津さんが語る通り、その役割は “体験の最高責任者” であり、サービス全体の体験をデザインすることにあります。
体験、つまりサービスを使って感じたことや、記憶したことを演出設計するお仕事です。使いやすい、楽しい、良さそう、わかりやすい、ワクワク、ドキドキ、がっかり、嬉しいはおろか、記憶もバズも、全部がユーザー体験です。 一般的にUI/UXと併記されるため、「アプリを使いやすくする仕事」と思われがちですが、これは間違い。「ユーザーの体験」なので、UXの守備範囲はもっと広くなります。 なので、お仕事の範囲は、「サービスを認知し脳細胞が発火した瞬間」から、「サービスを忘れてしまうまで」。その間、サービスに関して脳内で発生するあらゆる記憶と感情、その全てをいい感じにすることです。
NewsPicks は「ソーシャル経済メディア」です。
メディアとしてのコンテンツの方向性や視点、キュレーションするニュースの編成方針なども重要な体験要素ではありますが、ここで提供する体験の核はコンテンツそれ自体によってなされるものが大半。この方針は編集部や NewsPicks Studios(コンテンツの制作チーム)を信頼し、提供される体験価値を最大化するための連携を、部署問わず拡げていくことが僕の重要な役割の一つ。
他方、「ソーシャル」の名がつくとおり、ユーザーが投稿する多様なコメントはもちろん、その人が集まるコミュニティも支持されている大きな価値です。NewsPicks の価値は有料記事や動画だけにとどまらず、コンテンツ、キュレーション、コメントという3つの視点が集まることで生まれています。
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文字もCEO就任記事に書いているとおり、このコミュニティの価値をさらに向上させていくことが重要。プロダクトの使いやすさは大前提として、「ユーザーの多様な視点が循環し、知恵となっていく体験:一人ひとりに未来のきっかけが生まれる場」をつくる。これが大きなミッションです。
とりわけ重要だと考えているのが、ユーザーの皆さまを中心とした「コミュニティ」です。アテンションの獲得を目的としたアルゴリズムと AI の発達によって、昨今のインターネットには真偽がわからない情報があふれています。また、ニュースは重い、苦しいと感じる人も増えているとも実感しています。そんな時代だからこそ、信頼できる情報を共有し、人々が互いに支え合う仕組みが必要ではないか —— NewsPicks を、変化や未来を志向する人々の「知的共助の空間」にしていきたいというのが、私の想いです。
AIやテクノロジーの進化は日進月歩、オンラインの世界がますます便利で効率的になっていく中で、非効率だけど温度感のある「オフラインへの入り口」となるようなコミュニケーション体験を作りたい、とずっと考えてきました。それを NewsPicks で実現したい。
そのために組織の垣根なく縦横無尽に動き、ユーザーのみなさまにとって価値ある体験を提供する。つまり、やれることは何でもやってなんとかする。担うべき役割は多々あれど、これが今僕が向き合うべきコトなのかなと考えています。
有言実行。以前インタビューで発言したことを、しっかり成し遂げたいと思います。
今後NewsPicksで成し遂げたいことは何ですか?
まずは、プロダクトを成長させることですね。事業もユーザー数もまだまだ伸び代があると思うので、ここからさらにもう一段伸ばしたいと思いますし、そこは絶対にやる覚悟を持っています。
今年は ATATA が15周年。 NewsPicks も全力、バンドも全力で頑張ります。本年もよろしくお願いいたします。