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2024衆院選「目の前に迫った衆議院の選挙 なんとしても大空さんを勝たせたい」小泉氏の応援演説は公職選挙法違反か?をファクトチェック


はじめに


こんにちは!野嶋ゼミファクトチェックチームの松村・仁藤・宮本チームです。今回はXで投稿されていた「『目の前に迫った衆議院の選挙、なんとしても大空さんを勝たせたい』 公職選挙法違反では?事前運動では? 。」についてファクトチェックを行った。

検査対象

「『目の前に迫った衆議院の選挙 なんとしても大空さんを勝たせたい』公職選挙法違反では?事前運動では?」という投稿が検証対象です。

投稿者 暇空茜@himasoraakane
2024年10月16日時点でのいいね数7513件、RP数1816件、表示数54万件、フォロワー数29万5649人。
この投稿者は議員を批判する記事を多く投稿しています。


https://x.com/himasoraakane/status/1846057075052576895?s=53&t=Yf6ehTSdyMQ_FgjW4D8ZgQ

検証結果・レーティング


出典 FIJレーティングより

今回の検証結果は根拠不明という結論になりました。それでは順を追って検証過程を説明していきます。


検証過程


https://x.com/himasoraakane/status/1846057075052576895?s=53&t=Yf6ehTSdyMQ_FgjW4D8ZgQ

この映像は10月6日に江東区の豊洲ビバホーム前で大空幸星氏(画像左)が街頭演説を行った際の映像であり、小泉進次郎氏(画像中央)が応援演説として参加していました。


https://x.com/ozorakoki

日時の特定は上記の投稿から行いました。

 実際に公職選挙法違反をしているかどうかですが、まず公職選挙法は選挙を行う際に必要な決まり事をまとめたものです。
 関連して冒頭で触れられた事前運動というのは公職選挙法で禁止されている行為の一つで公示日という選挙管理委員会が選挙の始まりを宣言する日までに行われる選挙活動全般の事を指します。
 今回の衆議院選挙の公示日は10月15日。要するに今回の問題の争点は公示日前である10月6日に選挙カーに乗って応援演説を行うのは事前運動にあたるか否かという事になります。
 

検査対象過程2

では実際にどの様な行為が事前運動に当たるのでしょう?「ボネクタ選挙活動」というサイトには事前運動に当たらない行為としてこの様に記されている。

告示日より前に選挙運動をすることはできませんが、以下の政治活動は認められています。
●政策の普及や宣伝(それに伴うビラなどの発行と配布)・党勢拡大のための活動
●後援会活動(会員の拡大や行事)
●街頭演説会や講演会・議会報告会などの開催(それに伴う告知活動)
●地盤培養行為(地盤とする選挙区で普段から有権者と接触し、政見その他を周知する行為)
●社交的行為(ただし、あいさつ状の禁止や寄附の制限あり)


選挙告示日までにできる活動は3種類|選挙運動とみなされる基準も | ネット選挙ならVonnector(ボネクタ)公式サイト。選挙ドットコム運営

では問題の動画はどうでしょうか。一見、選挙カーに乗って街頭演説を行っているだけなので問題は無いと見えます。ただ、事前運動に当たる例としてこんなものもあります。

事前運動の具体的なイメージは、例えば以下のような行為を公示または告示・立候補の届け出前に行った場合です。例①:立候補しようとしている人が「△△選挙に立候補する◯◯です。ぜひ私への投票をお願いします」と呼びかけたり、支援者など候補者以外の人が「◯◯さんに投票してください」と依頼したりする。また、SNSで発信する。
例②:立候補しようとしている人が、名前を書いたのぼり旗やたすきを用いて駅前で演説をする。
例③:「◯◯事務所・出陣式のご案内」と印字されたハガキを有権者に郵送する。

「事前運動」は禁止!立候補の準備との違いは?事例を示して解説 | スマート選挙ブログ

問題の動画では小泉氏は何と言っているでしょうか?
 街頭での応援演説の小泉氏は挨拶を済ませた後、「私は大空幸星さんを何としてもでも勝たせたい。その思いで来たんです、自民党の選挙対策委員長という立場になって目の前に迫った衆議院の選挙何としてでも大空さんを勝たせたい」と述べています。
 このコメントは、勝たせたいから投票して欲しいと解釈が出来る一方で、小泉氏の個人的な思いを発表しているだけとも捉える事も出来ます。
 そこで、選挙管理委員会にこの件について電話してみました。

検査対象過程3

 選挙管理委員会に上記の事で相談の電話を入れてみた所、「その件の回答に関しては、こちらでは申し上げる事が出来ないので警視庁の捜査二課までご問い合わせ下さい」という回答でした。
選挙管理委員会によると、公職選挙法などの法律の問題で違法かどうか判断するのは警視庁です。
 次に警視庁の捜査二課に電話してみました。そうするとこう回答でした。「実際に現場を見てみないと判断が難しく、特定の選挙活動を事前運動かどうかというのはこの場ではお答えすることが出来ない。また仮に公職選挙法を違反していて逮捕と言う形になったとしても敢えて公表するものでもないので基本的に公表はされない。選挙法違反は解釈が難しく一概にこの選挙活動は選挙法違反だとこちらからはお伝えする事は出来ない。」
 警視庁にまで電話で問い合わせたが結局振り出しに戻ってしまいました。しかし、警視庁の方からはこうとも言われました。「ファクトチェックを行っているなら、そのあたりも踏まえて自分達で考えて判断してみて欲しい」。他人にばかり聞くのではなく自分達でも考えてみるべきだ、ということです。


まとめ

今回の件についてまとめると

  • わかりやすく選挙法違反しているわけではない。

  • 選挙法違反は解釈が難しく、警視庁でも明確に違反かどうか、簡単に判断がつかない場合が多い。

  • そのため、私たちの出した結論は根拠不明となりました。今回この件について調査していくうちに選挙活動とはなんだろうと考えさせられました。


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