「【化合物】廃プラスチックからバニラ味のアイスクリームを作り出すことに成功」についてのファクトチェック

野嶋ゼミファクトチェックチーム(牛込、柴田、大村、馬塲)です。

今回は「【化合物】はプラスチックからバニラ味のアイスクリームを作り出すことに成功」というX(旧Twitter)の投稿をファクトチェック致しました。

X(旧Twitter)の投稿

この投稿はX(旧Twitter)にて2023年10月12日に「ライブドアニュース」というアカウントで投稿されたものです。

今回のテーマを選んだ理由

  • この投稿は表示回数1050万、リポスト数9000、いいね数31000、ブックマーク数1300と多くの人に拡散されており、影響力が大きいため

  • この記事が事実であった場合、プラスチック問題の解決に近づくのではないかと考えたため

検証判定・レーティング


FIJのレーティング基準
(2023年11月17日取得, https://fij.info/introduction/rating)

「ミスリード」

廃プラスチック=ペットボトルからアイスクリームを作ったという事実はある。
しかし、今回の見出しだと誤解の余地があるため、ミスリードと私たちは判定した。
ここから、どの部分がミスリードなのか順を追って説明する。

検証過程

2021年の『Green Chemistry』誌13号にて、ジョアンナ・C・サドラーらがバニリンと呼ばれるバニラエッセンスの主成分をペットボトル(ポリエチレンテレフタラート)から作り出す技術※を開発したことが発表された。
※ペットボトルを大腸菌や酵素、バクテリアを用いてバニリンに変換する技術

2023年、アイスクリームはロンドンの芸術大学のエレオノーラ・オルトラーニが中心の研究チームと技術を開発したジョアナCサドラーと他の何人かが協力して芸術作品・卒業制作として作られ、展示会で展示されていた。

今回の記事はあくまでもペットボトルから作られた素材を使って作られたバニラアイスがメイン
→プラスチックから食品が初めて作られたという大きな意味では記事自体が誤りとは言えない


付帯意見
我々がファクトチェックを通して、ニュースでの文言を直すなら、
「ペットボトルから変換された成分でアイスクリームを作り出すことに成功」とするのが正しいと考えた。

まとめ

今回は「【化合物】廃プラスチックからバニラ味のアイスクリームを作り出すことに成功」という記事についてファクトチェックを行った。
検証の結果のまとめは以下のとおりである。

・プラスチック(ペットボトル)からアイスクリームを作ったという事実はあった。
しかし、プラスチックから直接アイスクリームができた訳ではなく、プラスチック⇨バニリン(バニラエッセンス)⇨アイスクリームの順が正しい。

・2021年の段階でプラスチックをバニリンに変換する技術は存在していたが、今回の記事ではそれが抜け落ちていた。

よって我々の結論としては「ミスリード」であるとなった。



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