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他人が優秀ではないと感じる認知バイアスについて

メディアで見かける人や専門家をみて、自分の方がもっと優秀でうまくやれると思う人にはどのようなバイアスがかかっているかを分析してみたい。確かに専門家であったり業界からの評価が高いからといって、優秀とは限らないからその認識は正しいかもしれないが確率はかなり低い。

温度が上がれば下げ、下がれば上げるエアコンがあり、それは人間と同じ反応をするから人間と同等の知性を持っているのではないかという問いがある。人間の知性は、無数の選択肢の中から適切ではないものを排除し確からしいものを選ぶところにある。そしてこの適切な行為の探索の範囲は人によって違う。

どのような前提条件なのか。専門領域で今言えることは何か。今後未来はどうなりそうか。これまで実践してきた実感としてはどうか。このように様々な問いを自らに行い、そして言葉が出てくる。多くの人にみられる立場であるほどツッコミは多くなるので、この探索は広範囲に多様な視点で行われる。

答えが平凡に見えても、この思考のプロセスが凄まじい。膨大な知識と、実践経験がなければできない。ところが、このプロセスは実際にやったことがあったり、やっている人の近くにいて実感するまではよくわからない。同じ答えに至ってもプロセスが違う。そしてこのプロセスへの想像が及ばない。

もし世の中にはどうしてこんなに過剰評価されている人間が多く、みんなそれに気づかないんだろう、そしてどうして自分は評価されないんだと思っている人がいたら、なんでも良いからまず成功を試みて実践してみることを勧める。そのプロセスで現実がわかり、成功した暁には、おそらく見え方が一変している。

自分の評価が高いのに成功していない人間の弱点は自分を省みる力であり、それに影響しているのは実践経験の乏しさだ。相手の分析より自分の現在の分析の方が人生には有益だが、前者は夢に浸れても後者は現実と向き合ってしまい辛い。評論の方が実践よりも傷つかなく夢を見られる。

つまり自己評価が高く正確に現状を把握できないという認知バイアスが成長を妨げている。そのことに気がつき受け入れることはとても大変なので、うまくいかず余計にストレスが溜まるということが繰り返されているように思う。自分のバイアスが認識すれば能力は解放されると思われるが、それができない。

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