『1985年の無条件降伏~プラザ合意とバブル~ 』〜英会話ができる〇〇大学卒が国際協調の正解?〜
グローバリズム、という言葉があります。
こんな考え方をもとに、国々はお互い経済の連携を重ね、相互に平和な発展を進めるのでした。
……。
そんな考えがほんの数年前までまかり通っていたのです。
今の混乱した世情を予想し得た人、グローバリズムが崩壊している現状を、いったいどれくらいいたのでしょう。
例えば、『サピエンス全史』で有名なユヴァル・ノア・ハラリ先生の著作、『21 Lessons』を読んでみると、当時の世界に対する牧歌的なとらえ方がたくさん記述されています。
(外れすぎててウケる……ボソッ)
一方で、中野剛志 先生の著書、『富国と強兵』では、騒ぎの始まる6年前から2023年現在を予知するかのような記述がたくさんありました。
地政学という敗戦時に無理やり捨てさせられてしまった学問が、実は正確に、そして冷徹に今の世の中の混乱を見抜いていたのです。
っていうか、地政学という学問をアメリカもロシアも中国も学んでるんだから、そりゃそうなるよね、っていう話は置いといて……。
いや置いとかずに持ってきて、
なぜ、日本にはずっと地政学的観点がなかったのでしょうか?
それは前述の通り、捨てさせられてしまったそうです。
敗戦時、日本は国家主義や戦意を鼓舞する内容を抹消させられてしまいました。いわゆる"墨塗り"というやつです。これによって日本は戦争に関するあらゆる考え方を文字通り黒く塗られてしまったのです。その際に、地政学という学問自体も墨で塗られて抹消されたそうです。
戦勝国であったアメリカ、ロシア、中国。
その国々にあって、日本になかったものの一つ。
それが地政学の考え方でした。
ここで、戦後の話につなげます。
日本は豊かな国になりました。
技術が発展し、経済が潤い、世界のトップに躍り出た時代があったのです。
『Japan as No.1』。
今の窮状からは想像もできませんが……。
それは奇しくも田中角栄元首相が脳梗塞で倒れた1985年。
世界中の国々が、好調である日本に難題をたたきつけたのでした。
「円高ドル安を解消せよ」
好況まっただ中の日本。
それにアメリカが待ったをかけたのです。
日本人は人の足を引っ張る、なんてどこかの記事で読みましたが、なんてことはない、アメリカだって同じことを国をあげてやっていたようです。
日本の黒字を減らすことより、自国の技術力を上げて競争せいっちゅーの。
そんなツッコミができなかった当時の日本政府。
何をしたかと思えば、なんとその要求に素直に応じたのです。
結果、プラザ合意から一年で90円の円高!
1年で60パーセントも円高になったのです。
日本、マジやばい。
円高になった結果、日本製のものは高すぎて売れなくなりました。
円高不況です。
そりゃあ一年で6割高なんだから、当たり前ですよね。
当然、日本は助けを各国に求めました。
プラザ合意を素直に受け入れてここまで苦しんでいる。
今度は助けてくださいよ、と。
ダメでした。
拒絶されました。
それどころか、「もっと円高にせい」とか言われちゃいます。
わけわかめ。
個人的な人間関係はその方々で解決すべきでありどうでもいい。
問題は、その思惑にのって国全体が衰えてしまったという事実。
しかも何十年も衰えたままにするほど、ヘタを打ったのです。
その後、日本はどうなったのかといえば……。
絶好調になりました。
円高のおかげで資源を安く買うことができる。
買ったものを加工して売ってまた大儲け。
これがバブル経済へと繋がって行ったのでした。
じゃあ、このプラザ合意を同意したことは日本にとってよかったことだったのでしょうか?
当然、そんなことはありませんでした。
大きな波が寄せれば、また大きな波が返っていくように日本の経済は一気に収束し、終息したのです。
まとめです。
日本は敗戦によって地政学の観点を失いました。
その結果、国際協調を真面目に目指し、アメリカの要望を受け入れました。
結果、失われた10年、20年、30年。
そして40年目を迎えようとしているわけです。
こうして考えてみると、国債協調の真のあり方は前回お話した通りだと思います。
日本の政治家や官僚の皆さんは日本を豊かにするために存在する。
それ以外の政治家や官僚に存在意義はありません。
某総理大臣はものすごく学歴差別主義でいらしたそうです。
どこの大学卒か聞いてまわる。
東大経済学部じゃなければ認めない。
そんな方だったそうです。
本当だったら残念すぎる……。
「ハロー、ジェームズ!」なんてペラペラ英語をしゃべることが国際協調といえないことはもう明白です。
英語喋りたかったら英会話教室にでも通えっつーの。
マキャベリの『君主論』には、国防に際して外国の軍隊は全く役に立たない、とあります。
次回はこのことも踏まえて、アメリカという国が本当に信頼に値するのかを考えてみたいと思います(もうオチが出てるけれども)。
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