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『天使のくれた時間』はこの世の全て

洋画の「天使のくれた時間」をご存知だろうか。


主人公の男は昔、愛し合っていた恋人とお互いのキャリアのために別れ、大企業の社長となった。しかし、もしその時別々の道を行かずに恋人と一緒になっていたらどうなっていたのか…というのが本映画のキモである。

主人公のニコラス・ケイジはふとしたきっかけで「あの日恋人と別れずにそのまま結婚した」という世界線に飛ばされる。そこでは元恋人と自分は夫婦であり、二人の子供と共に郊外の一軒家で幸せに暮らしていたのである。戸惑いながらもそこでの生活を奮闘していく…というストーリー。

一見すると、「家庭と仕事どっちをとるか?」という主題に見えるが、私はそうではないと思う。私が一番感じたのは、「家庭も仕事も成功するのはかなり難しく、チャンスを逃せば手に入れられない」ということである。

主人公は現実では大企業の社長としてリッチな生活を送っており、家庭を持った世界線を妥協の産物だと思っている言動行動を繰り返す。妻はそれに対し仕事の愚痴を言いながらも、愛する夫と子供のいる今が幸福だと話す。主人公は現実では仕事、別世界線では家庭で成功していて、それぞれ家庭、仕事で成功を収めてはいない。


しかし、我々映画の外の世界では、どちらも失敗している人が数多くいるはずだ。どちらか選べる、という時点でかなり恵まれているのである。

数少ないチャンスをものにし、最大限努力を重ねなければ映画のような生活はできないのである。現実は厳しい。

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