"Unit 731 Museum"731部隊、歴史の亡霊、政治と現実の生き霊に逢いに・前編 世界美異識紀行
(昭和92年に捧げる)
5月にハルビンに行った主目的は
ココへ行くことでした。
ハルビンは言えば言わずと知れた"旧満州"であり
"ニッポンのアウシュヴィッツ"として著名な
"731部隊"の本拠地がかつてあった場所。
"他民族=よその人"にやりたい放題やるってのは
全世界共通の人間らしさの極致だよね。
よその人だろうが何だろうが
人は人なんですけど・・。
「地球の歩き方・中国東北部編」にも
バッチリと載っているが、
よほどの好事家でもなければ
なかなか行こうとも思わないであろう
Unit 731 Museum、旧日本三一部隊遺址に
女ひとりで行ってきたので、ここに残します。
(行くまでが大変)
さて、行こう!と朝起きて宿を出発した。
現地へ1本でゆけるバス停までは、
どうやら歩いて行ける距離。
グーグルマップを頼りにテクテク歩くと
どう見ても"車専用道路"っぽいのに、みんなスタスタ歩いている。この道を行くしかない
ダイナミックな工事現場。
ダイレクトな剥き出し感がある。
ハルビン滞在中にすごく気になったのは
"白くフワフワした綿毛みたいだけど
そうじゃない物質"がやたらに
色んな場所で舞い上がっていたんだよね。
あれは何だったんだろう。
暑くて乾燥してる、
あまり経験したことない気候だった。
高温少湿なの。(だから体力奪われた)
でも誰も帽子かぶってないし
マスクもつけてないの。
売ってはいるんだけど。不思議。
鉄道のハルビン駅についた。人民の熱気がすごい。
13億人が暮らす中国。本当にかなわない。
13億人いればどんな人もいるし
何でもできると思う。
バス停はこのすぐ近くと、地球の歩き方には載ってたが・・皆目わからない!
バスターミナルだからたくさんのバスが来ては
人を乗せて凄まじい急発進で
目の前を通り過ぎていく。
ウロウロするが、乗りたい"338"バス停が
見当たらない。案内人らしきおじさんに
メモを見せて聞くと、ジェスチャーで
教えてくれたが、それでもわからない
(あとから考えるとおじさんの
ジェスチャーは正確だったが・・)
異国の地でさんざん迷う・・辛すぎる
・・諦めようかな。
そう思った頃、バス停を発見!
"灯台下暗し"であった。
メモを見せて乗り込んだ。
1時間弱、いかにも大陸的な、
アグレッシヴで自由な運転に揺られていると、
運転手のおじさんが叫んでいる。
どうやら私を呼んでいるようだ。
本来のバス停ではない、"ど真ん前"で
降ろしてくれた。ありがとう、助かっちゃった。
いよいよ来たよ
ちなみにバスは2元(約32円)
そびえ立っとる
"棺桶"、"人を燃やした煙突"をイメージしてデザインされたんだろうな。まあ、そうだろうと思う。
大国・中国の強大さを感じずにいられない建築である。(しつこいけど13億人を擁してんだよ!)
セキュリティーチェックののち入場。
日本語のオーディオガイドを借りにいく。
入場料は無料だけど
日本語オーディオガイドは
20元(約320円)
200元のデポジットと一緒に払う。
ニッポンジン、ニッポンジン♪と呟いていた。
ニッポンジン。私はニッポンジンだ。
スタッフの女性はみな若く、モデルのような美女揃いだった。色々推測せずにいられない。
血に濡れた解剖実験室
凍傷の実験
女子供にも容赦なし
十字架に捕虜をくくりつけ
空から細菌を撒いたという
(陰鬱で壮厳な音楽が流れている)
展示には 「妙なポップさ」がある
日本のアニメの影響を受けていると思う。
この博物館が出来たのは2015年、
若い世代に訴えるためにはわかりやすさが
不可欠だしな・・
展示は見応えがあり過ぎるというか
中国政府が総力を尽くして作った感が凄まじい。
中国らしい"大らかさ"はまったくなく
非常に作り込まれている。膨大な展示品。
ガスマスクとか・・
元隊員からの本当に考えさせられるお便り
ヒノマル
私は日本人として贖罪の念が・・
というような感情は特に湧かない。
(ソウルの従軍慰安婦資料館に行ったときもね)
やってたことに疑う余地はないし。
「こっちは忘れる気なんかないですよ」という
国としての姿勢が見たかったのよね。
出口に向かうと、
待ってましたとばかり、ニコヤカなお兄さんに
売店に誘導される。
絶対連絡が行ってるよ!
日本語版の書籍を買えと・・(数種類あった)
買ってもよいが、あんまりそそられないし、
かといって何も買わずに立ち去れるムードでもない。一応売店兼カフェで、コーヒーなんかも頼めるようだが、一体誰がここで何か飲むのかと言いたくなるような無機質な空間だ。
迷ったあげく絵はがきを購入した
展示ではない、ほんものの跡地を見るために
暗喩的な通路を通り歩いていく。
この通路の途中も、壁にガスマスクが埋め込まれていたりして、芸が細かいんだ。
(つづく)