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一仕事終えて・・・
約一カ月続いた舞台が終わった。
東京チームが札幌に滞在して、毎日刺激的なクリエーションが行われた。やってる時は長く感じ、終わってみるとあっという間。
肝心の本番は、劇場は毎公演ほぼ満員で、あらためて、ハイバイという劇団の力を感じたな。台風直撃の日にたくさんの人が集まってちょっとビビった。映像配信されているみたいなので、興味があれば是非!
https://l-tike.zaiko.io/e/waremoro2024
この舞台に出演する役者の中で、プロではない役者は俺一人。その中で自分が存在できたのは本当に良い経験になった。なにより、チケット4000円以上の舞台に出る事、物語を書く事、東京で舞台に出る事、演劇を始めて目標にしていたことが達成できた。演劇経験2年未満の奴が、ハイバイに出演して、スズナリの舞台に立てるなんて、かなりレアじゃないだろうか。
俺は少ない演劇経験の中で、小さな舞台に2、3度、ちょっとした役で出た事がある。この時も緊張はしたけど、今回はその比じゃなかった。舞台に立つ事が怖いって思った。観客に観られるという恐怖、失敗したらどうしようという強迫観念、舞台で出し切れるのかという不安、舞台役者というのは、こういうものと向き合って舞台に立っていくのだ。他の役者の人達はそんなの慣れたもので、本番前もリラックスしていたようにも見えたけど(実際は分からん)、俺にはそんな経験値はない。毎回毎回が本当にしんどくて、マジで早く終わってくんねえかな、といつも考えてた。本番はまさに、戦場に向かう兵士の気持ちだった。
数年前、俺は人生に失敗して、死ぬつもりでいた。そんな時、何気なく書き上げたのが「やりたい事リスト」。それが演劇との出会いだった。なぜ40を過ぎて演劇を始めようと思ったのか、その時は全く意味不明だった。でも今なら、今回の舞台に出るために俺は演劇を始めたんだろうなって思える。過去の自分を今の自分が演じる。それをたくさんの人にそれを届ける。過去の自分が現在の自分をこの舞台まで連れてきてくれた。失敗だと思っていた人生に、新たな意味を持たせてくれた。そう思うとマジで感慨深い・・・。
俺はきっとこれが最後の舞台になる、終わった後は、やりきった満足感で満たされているだろうと思っていた。
でも、舞台が終わった時、俺がすぐに思ったのが、「次何しようか」だった。充実感なんてものは、舞台を終えた数時間後にどっかに飛んでいった。
今、俺には日常が戻って、本当に落ち着かない。やっぱり俺には目標というか、挑戦していく何かが必要なんだな。その中にきっと俺が生涯かけてやっていきたい事があるはずだ。もしかしたら、それは演劇なのかもしれない。演劇を続けていれば、また色々な出会いや展開があるのかもしれない。
実は演劇を続けるか、めちゃくちゃ悩んでる。ひとまず据え置き状態なんだけど、多分、今回が刺激的過ぎて、自分の知らない事が多すぎて、まだ処理が追い付いていないのかもしれない。ちょっと生意気に聞こえるかもしれないけど、自分なりに演劇の本質というか、役者とは、みたいなものに対して、その入り口をのぞけたような気がした。それを確かめたり、役者としての成長を感じられるのって、本番の舞台しかないんだよね。ただ、どっかで今更演劇を始めてどうなる、みたいな、お前いくつだよ、みたいな、そんな現実的な自分がいるのもマジで事実。そんなこと言ったら何もできないんだけど、そんな考えが出るほど揺れているって事なんだろう。
さあ、俺。どうする?