愛機Canon PowerShot S95との別れ
出会いは2010年の冬のことだった。
クリスマスの前夜、週末だったと思う。仕事帰りに京王線・聖蹟桜ヶ丘駅を降り、ビックカメラをぷらぷらしていた。それだけは鮮明に覚えている。
たぶん、クリスマスの予定もないからだろう。
その時に一目惚れで買ったのがこれ。
Canon PowerShot S95。
即決、お持ち帰りだったね。
PowerShotと言えばEOSに並ぶ、Canonのカメラブランドである。コンデジなのに写真をRAWデータで残せる優秀ぷり。当時はまじめにLightroomで現像なんてしていたので、RAWで残せるコンデジは魅力。
S95のさらなる魅力は開放F値が2.0と明るいこと。そろそろ夜になる薄っすら紫色の空も、オーケストラの準備をするコンサートホールも自由に撮れた。
そんな素敵な仕様がゆえに、今でも愛用している一眼レフEOS Kiss X3のサブカメラとして連れ回すことが多かった。休日のお出かけだけでなく、通勤時も使ったりしていた。日常の色々を切り取って遊んでいた。
PowerShotと言っても様々な機種があり、S95はSシリーズという小型の機種だった。当時のPowerShotシリーズは高倍率ズームが売りの機種がメインでコンパクトなカメラと言うより、ずんぐりむっくり大きい。
その後、RICOHのGRシリーズやFUJIFILM X100が登場し、Sシリーズは幕を閉じる。後継機はPowerShot G9 Xだが、S95ほどリーズナブルではなく、S95を買い換えるのも気が引けてしまい、使い続けた。
10年以上の付き合いで、レンズの動きがぎこちなくなり、ピントが合わせにくい時もあった。そろそろ寿命かなと感じてはいたが、丁寧に清掃してあげれば、何となく使い続けられた。
しかし、来てしまった。全く動かない。
電池は大丈夫そうなので、本体の故障だろう。
液晶は真っ白になり、何も情報を表示しない。
そのうち、液晶は真っ黒になり、電源を入れることもできなくなった。
どこに行くに頑張ってくれた。
本当にありがとう。
最後に撮った写真は、なぜかエアコン設置位置を確認する時に撮影した写真。横に謎の線が入っている…これが最後だったか。
素敵な風景とか、そういうのを撮ってあげたかった。
先にも書いたとおり、このSシリーズの後継はPowerShot G9 Xと言われている。当時S95を3万5千円くらいで買ったので、さらに1万5千円上乗せで新機種への更新か…これはサブカメラじゃなくて立派なメインだな。
それとも、もうメインを買うつもりでG5とか目指すかな…。
やっぱりS95が優秀だったと振り返る別れである。