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ゆいまーるの心♡と「やちむん」の魅力

立春が過ぎ、路地の寒緋桜も色鮮やかなピンクの花びらから、若葉をつけ始める木々が目立つようになり、暦の上では春を迎える季節となりました。

寒緋桜と若葉

しかし、今年はラニーニャ現象の影響でしょうか?寒さが少し長引くようで、沖縄でも北風が冷たい日が続いており、我が家の食卓では、鍋料理の登場が度々あります。

料理は作ることも、食べることも、大好きな食いしん坊の私ですが、実は食器を集めることも大大大好きで、ジャンルは様々ですが、若い頃からコツコツと食器を集めています。

最近、特にハマっているのが沖縄の「やちむん」です。

沖縄に生まれて50年、恥ずかしながら「やちむん」には、あまり興味のなかった私だったのですが、昨年、フト立ち寄ったショップで、ほっこりと温かみのある「やちむん」との出会いで運命が変わりました!!

今ではその魅力にすっかりとり憑かれ、近くでやちむん市が開催されると聞くと足繫く通い、自分好みの「やちむん」との出会いに胸をワクワクさせています。

そこで今回は、ほっこり♡温かい沖縄の「やちむん」について調べてみました!

・「やちむん」とは

「やちむん」とは沖縄でつくられる焼き物のことで、方言で「やち=焼き」「むん=物」→「やちむん」と総称され、400年も続く人気の伝統工芸品です。

「やちむん」の種類には、土の素朴な表情が魅力の「アラヤチ(荒焼)」と、絵付けや線彫りなどで文様付けした後に釉薬をかけて高温で焼き上げた「ジョーヤチ(上焼)」の2種類があります。

形も「アラヤチ(荒焼)」は壺や水瓶など大型のものが多く、一方の「ジョーヤチ(上焼)」は、食器や酒器、花器類など小さいものが多いのが特徴です。

やちむん(アラヤチ甕)

今日の「やちむん」の主流となっている「ジョーヤチ(上焼)」は、南国沖縄らしいカラフルな絵柄や伝統の技法が施された純朴な雰囲気の器など、作り手の個性が光る多様性のある「やちむん」です。

やちむん(ジョウヤチ)

・「やちむん」の歴史

現在「やちむん」と言えば、那覇市の「壼屋焼」や読谷村の「やちむんの里」が有名ですが、歴史は古く300年以上も前のこと、琉球王朝が今の那覇市壺屋に、陶工を集めて作陶を始めさせたのが始まりだと言われています。

戦後の復興にも大きく貢献してきた歴史ある「壼屋焼」でしたが、1970年代ごろに入ると住宅密集地となっていた壼屋地域では、登り窯の煙が問題視され、存続の岐路に立たされてしまいます。

一方で返還された基地の跡地利用を模索していた読谷村は、助け合いの精神に基づく「やちむんの里」プロジェクトを立ち上げ、薪窯の設置にも柔軟性のある対応で、積極的に窯元の誘致行っていました。

原料となる陶土が良質で豊富だったことや人間国宝(故)金城次郎氏が作業場を壼屋から読谷村は移したことも後押しとなり、1972年、賛同した陶工たちによって読谷村に共同の窯が築かれ、今もなお、薪を使った登り窯の伝統が受け継がれています。

現在では、50件ほどの店舗や窯元が集まる「やちむんの聖地」と呼ばれ、人気の観光スポットとなっています。

また、那覇市の「壼屋焼」もその後、煙の少ないガス窯や灯油窯などに転換することで、作陶を継続することができ、ショップも併設された、やちむん通りは「やちむんの故郷」と親しまれ、例年多くの観光客で賑わっています。

・私の素敵な「やちむん」たち

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魚紋の「線彫り」フリーカップ。魚はたくさんの卵を産み育てるので、子孫繁栄の意味がある縁起の良い定番図柄です。

青大皿小皿

唐草文様のチャンプルー皿と小皿。 さまざまな方向から伸びるツタは、長寿や子孫繁栄、永久不変などを表し、やちむんの中で最も多い人気の図柄です。


やちむん削り

素地の表面を削ってつくる稜線文様の「しのぎ」のフリーカップとクリーマー。 太さや模様の入れ方によって、さまざまな表情になり、作家さんの個性が引き立つ技法です。


山城窯(山城尚子作)

「イッチン」技法が施された中鉢は、私の友人「山城窯」の山城尚子氏の作品です。素朴で温かみのある表情の中に、繊細な花柄がとてもお気に入りでとても大事にしている「やちむん」のひとつです。

マグカップ点打法

手描きで描かれている丸い模様の「点打ち」マグカップ。 モダンながら優しい雰囲気がお気に入りで、毎朝カフェオレを入れて飲むのが私のルーティンです♪

飯椀

生地の表面を点々と削り、連続性がある模様が特徴的な飛び鉋の飯椀は、 幾何学的で凛とした印象がお気に入り。


(まとめ)

今年(2022年)本土復帰50周年を迎える沖縄県。

ここ数年はコロナウイルス感染症の影響で、訪れる観光客の数が減り、厳しい経済状況が続いていますが、煙害問題で一度は消えかかった「やちむん」の歴史のように「ゆいまーる」の精神で乗り越え、これからも古き良き伝統や精神を継承しながら、沖縄の美しい工芸品や文化が世界中の人々に広く知れ渡ることを切に願います。

そして私はギュウギュウに詰まった食器棚で、鎮座する「やちむん」を眺めては、ニンマリとする日々をこれからも送り続けたいと思います。

シーサー



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