台風19号の被災地支援へ(支援に行くハードルを下げたい)
10月17日(木)に、台風19号の被害を受けた長野県飯山市へボランティアに行って来ました。
ボランティアに行くなんて初めての経験で、不安だったことも多かったので「ハードルを下げる」ことを目的に、どんな仕組みだったかとかどんなことをしたか、書いてみます。
被災地はマジで人手を必要としていました。
家族だけでやっていると、本当に先が見えなくてしんどいです。終わりの見えない泥やゴミ出しの戦い。他の人の労力が絶対に必要です。
無理ない範囲で空き時間を見つけて、できることをやろうかなという人が、一人でも増えたらいいなと思って記します。
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被害が明らかになるにつれ、また水が引いて着手する人が増えるにつれ、ニーズが段々増えていきます。
※本当にど素人がハードルを下げることを目的に書きました。「素人が何言ってんだ!」という箇所も多分にあると思います。何卒、目的をご理解いただけるとありがたいです。
支援に行く理由
今回がこのような災害支援ボランティアは初めてでした。
東日本大震災も、熊本の地震も特に復興支援には行かなくて。
今回、違ったのは「他人事じゃなさ」と「機会があった」ということでした。
まずは物理的な距離として、単純に長野県内の話であったこと。ごく身近に、県内に苦しんでいる人がいること。
そして、実際に被災した友人が複数人いたこと。その友人のLINEやFacebook等での発信を見て、身近な人が苦しんでいたということ。
あと、私が所属している塩尻JC(青年会議所)は、日本青年会議所長野ブロック協議会の中で災害協定に調印しております。
要は「災害受けて困っているところがあれば、お互い助け合って支援しようぜ」という取り決めです(単に飲んでばっかいる団体じゃないんです)。
今回は北信濃方面の「みゆき野JC」から支援の要請がきて、塩尻JC内にもその連絡がまわってきたので、飯山市に支援に行きました。
身近に、手を伸ばせば行ける機会があった、というわけです。
もともと、特段の「ボランティアしたい!」とか「困っている人がいるんだからなんかして助けなきゃ!!」みたいな使命感はそこまで強くは持ち合わせているわけではないのです。
だけれども、今回は上記の理由で、ごく自然と「あ、行かなくちゃいけないな」という風な思いが浮かんできたのです。
熱い使命感のようなものは必要ないと、私は考えます。
何か関心を持つ理由が一つでもあれば、自然な行動として、行けば良いのです。
準備について
今回、私が準備したものについて紹介します。
身の回りにあるものと、あとワークマンに行ってちょろっと買いました。
■家にありそうなやつ
・軍手とゴム手袋
・マスク。ゴーグルあると場合によっては楽かも。
・タオル。めっちゃ汗かきます。
■ワークマンとかホームセンターにあるやつ
・長靴
・汚れて良い服(ワークマンで1500円くらいのレインウェア購入)
・アームカバー(ワークマンで500円くらい)
JCから回ってきた準備物に則って、これで行きました。
スコップやブラシや水切りなどは現地にありましたので、とりあえず上記だけで、自分の身体を使って色々と出来る様になりました。
あと結局自分の汗拭きにしか使わなかったけど、大量のタオルを持参。念の為携帯トイレ持って行ったけど、これは登山する人の家にしかないかな。
あとご飯は住んでる場所付近で買って行きましょう。
※被災地によっては道路や建物内に危険物が飛散している場合もあります。三枝の格好は飯山市だから通用したというところもあると思います。準備物については下記URLをご参照ください。
https://www.saigaivc.com/volunteers/preparation/
被害のフェーズや交通状況(支援物資が届くかとか)等によっても、道具などは変わってくると思います。
交通について
私の住んでいる塩尻市〜飯山市までは、おおよそ90分。
塩尻ICから高速に乗って、被害の大きかった長野市や須坂市や中野市を通り過ぎて、豊田飯山ICで降りて、おおよそ20分で集合場所へ。
高速道路は、ボランティア目的だとなんと無料です。
無料の手続きは下記URLにありますが、めっちゃ楽です。
https://www.e-nexco.co.jp/road_info/important_info/h31/0701/
■具体的な方法
行く前に書類を書く
(往路)入口で通行券とる→出口で書類渡す
↓ボランティアセンターで印鑑もらう
(復路)入口で通行券とる→出口で書類渡す
マジでこれだけです。
ETCカードは抜いといてくださいね。
現地では通行止のところもあると思います。
飯山市も市街地の一部は通行止になってました。
また、高速も須坂ICあたりは出る車で混んでました。
そこは事前に調べられればベストですが、地理感がないと現地に行かないとわからないこともあります。
ボランティアの受け入れをしている場所では、おそらく現地の表示等に従えば問題ないと思います。
これで、行く準備は整いましたね。
現地に着いてからのこと
これ、結構わからなくてハードルになってると思います。
作業内容だけじゃなくて、特にその前後も含めて。一人で行っていいのかとか、どんな感じで作業場所に行くのかとか。
簡単に言えば、以下のフローです。
①受付
②ボランティアのオリエンテーション
③マッチング
④必要な資材を借りる
⑤作業場所へ行く
⑥作業
⑦本部に戻って、解散
①受付
ずらっと並んで受付します。
ここで同時に、ボランティア保険にも加入します。本当に書類書くだけですね。
ちなみに、ボランティアセンターは社会福祉協議会が運営してました。飯山だけじゃなく、上越市、妙高市、山ノ内町など、近隣市町村の社協が応援に来てました。
②オリエンテーション
社会福祉協議会の方から話を聞きます。
これからのどういう流れになるのか、ということから、気をつけることまで。
「被災者の方に配慮して家の写真は撮らない。でも、SNSの力を知っているから、現地の様子を伝えるために街の様子とかボランティアセンターの写真は撮っていいし、拡散して欲しい」と言ってました。
(このnoteを書いている理由の一つ)
③マッチング
④必要な資材を借りる
社協の人が、支援を求めている人や組織のニーズを読み上げて、それにいきたい人が手を挙げる、というシステムでした。
「○○地区の家、作業内容は○○とか○○で、本日は○人の方を募集しております」「誰か行く人はいますか」
という感じでアナウンス。
それぞれ手を挙げて、人数が揃ったらチーム結成という感じ。勿論、知らない人同士で組むことも普通にあります。
チームで一人リーダーを決めて、その人が移動方法(乗り合わせるとか)や、貸出物資の指示や、場所の案内、社協との連絡などを仕切りますが、大体はボランティア慣れしている人がリーダーになるのでご安心を。
⑤作業場所に行く
⑥作業
私は8人のチームで個人宅へ。
おじいちゃん一人で住んでいる家で、息子さん(娘さん?)夫婦が手伝って片付けをしていました。
雪国特有の2階が住居の入り口で、1階がガレージの家。浸水したのはガレージなので、そこの片付けです。
作業内容はざっと以下。
・ガレージから荷物の搬出(洗って使うもの、災害ごみに分ける)
・ガレージの泥出し、清掃
・庭の泥かき出し
・災害ごみを集積所に出しに行く
(ボランティアの一人が軽トラ持ってたからできた)
これは各案件によっても違うし、ボランティア一人一人が持ってきた物によってもできる作業が違ってきます。
自宅の中まで浸水している場合は、もっと細かい作業になると思います。
今回、塩尻の電気設備の社長がJCで参加して、トラックに水詰めて放水シャワー(?)を持ってきたので、ガレージ内の掃除もスムーズでした。
軽トラがあったから、災害ごみをめっちゃ出しまくれました。
本当は、ボランティアが持ってきた道具や機材と、作業内容までのマッチングができればベストですが、この混乱の中ではそこまでの仕組みは難しいです。
だから、とりあえず家に使えそうな道具があれば、持って行くのが正解だと思いました。機材はケースバイケースです、今回の家は川沿いで駐車スペースもありましたが、大きなトラックだと、細い道の街中だったら却って迷惑かもしれません。
この辺りは、行ってみないとわからない、だと思います。
⑦本部に戻って、解散
本部に戻り、高速無料のスタンプを押してもらったり、証明書を発行してもらったら、終了です。
出口に唐揚げセンターが炊き出し(揚げ出し)に来ていて、無料で唐揚げを配っていたのでいただきました。帰りの車の中で食しましたが、肉体労働に鶏肉と油が効きました。
これからの状況について
今、長野県内での社会福祉協議会主導のボランティア受け入れはこちらのHPに記載があります。
まだまだ、支援を必要としているまちや、人は沢山います。
私が勤務している塩尻市役所でも、市職員の動員が始まりました。
場所は須坂市と長野市。特に長野市は、11月20日までの動員がかかっています。少なくともそこまでは、まだまだ人手が必要だということの証左です。
※須坂市は特に豊野という地区が4.7m浸水して水が引くのに時間がかかり、水道関係も復旧に時間がかかっていると聞きます。長野市は範囲が広いので、ニーズ調査に時間がかかったと小耳に挟みました。
社会福祉協議会の受援体制が整って、ボランティアを募集している場所は「とにかく人手が欲しいから、身体を使える人に来て欲しい」というニーズが確かに存在すると感じます。
行く前に調べられることもありますが、行ってからじゃないと分からないことも多々あります。読んでもらって分かる通り、支援のための準備はそんなにハードルじゃなく、決めてしまえば、割とすぐにでも行くことができるんです。
何回も言いますが、熱い使命感とか、被災地で役立ちそうな飛び道具は必要ないと考えます。
困っている友人を自然と助けるように、普段の仕事や家事をするように、自然の中に生まれる、自分ができることをやるという心持ちで、支援に行ってみて欲しいです。
ほんと、困ってます。
肉体的にもきつく、いつ終えるとも分からない精神的にもきつい作業を、ボランティアの人手は、圧倒的に縮めてくれます。
知り合いから「来週末とか報道も減るのでかなりボランティア減ってきそう」という連絡をもらいました。
だんだんと、TVでも報道されなくなるし、社会的にも、またそれぞれ個人の関心としても、クローズアップされなくなってくると思います。
だからこそ、今後の支援が必要になってきます。
できる人が、できることを
自分の生活を犠牲にしてまで、支援をするのは本末転倒だと思ってます。
だから、できる人が、できることを。
①被災地に行けそうな人
ぜひぜひ、時間がある時に現地で労力を提供してくださいませ。
https://nagano.shienp.net
↑長野県内のボランティア情報
https://typhoon201919.shienp.net/
↑こちらは全国版です。
②現地に行けないけど、何か支援したい方
災害義援金・ふるさと納税・クラウドファンディング等の様々な方法を、自治体・民間企業・被災当事者等の様々な主体が募集し始めてます。
Facebookのタイムラインでも流れまくってますし、調べれば色々出てくると思いますので、ちらっと載せます。
・ふるさと納税
https://www.furusato-tax.jp/saigai/filter?category_id[]=1099
・長野県災害義援金
https://www.pref.nagano.lg.jp/kaikei/happyou/191016press.html
③不足物資の支援
統一的に情報を収集、発信しているところが見つからず。。。
私はFacebookのこのページを見て、現地情報をふんふんと聞いてます。オンタイムで必要としている人や物が分かります。
・Facebookグループ「長野市 台風19号 被害状況共有グループ」
長野市と言いつつ、他の場所の情報も流れて来ます。
https://www.facebook.com/groups/2547741761961989/?fref=nf
無理をする必要はない。
でも、どこかに意識を置いて。
できる人が、できることを。
追記とか
参考になったリンクとか資料をここに記載しておきます。
・災害ボランティアに参加する前に知っておきたい4つのこと
http://www.kazetotsubasa.com/4059/?fbclid=IwAR3E3kDMnYs1g_GzVWRix28zgoD7Hb5xsCcI1tPKoTBCYa8YdnvjUcRM4aA
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