やりたいこと

Loose Riders Japanが上手くいけば関わってくれる皆にとって大きなポテンシャルがあることは想像できたけど、日本や白馬のマウンテンバイクがどういうものかほとんど分かっていなかった当時はこれをどう育てていくべきか具体的には見えていませんでした。

最初はクイーンズタウンで出会った面々に「一緒にやらない?」と話してみたけど難しく、本来始める時点で「20歳以上で5人以上の仲間がいること」という条件も本当は満たせていませんでした笑

「これがこの先こういうプランでこうなっていくからやろう!」という構想も、自分の頭の中にあるだけで信じてもらうのが難しいのは当たりまえ。

それでも手伝ってくれるという仲間も2人あらわれてくれて、「シーズンが始まればなんとかなるかな」と思っていました。

そんな時に八方のリフト係の寮で同室だった友達から「おれのやってるリフトに地元の高校生がバイトで来ていて、マウンテンバイクやってるやつがいるよって話したら会ってみたいって言ってたよ」とのこと。

それはぜひ会ってみたい!と思って最初に会ったのが当時白馬高校1年生のりょうすけとひゅうまでした。

そこから「ご飯行きましょう!」と誘ってくれて、レストランに行ったときにひろき、せーる、かいりの3人にも会って白馬でやりたいと思っていることをいろいろ話したときに「Loose Riders Japanっていうのをちょうど始めたんだけど、仲間がいないからいっしょにやろうよ」と話したのが始まりでした。

この出会いは本当に偶然でしたが、その時に「Loose Riders Japanは彼らのような若い世代に日本だけじゃないマウンテンバイクの広い世界の明るいビジョンを持ってもらって自分たちで広い世界を広げていけるきっかけにしてもらえたらいいな」と思って、方向性をそれに決めました。その後どういう人生を選ぶかは各々の選択ですが、少なくとも本当に面白いマウンテンバイクを知らないままその選択肢を消すのはもったいない。

自分がマウンテンバイクを始めた時に相模湖ののりさんに教えてもらったことや、海外に目を向けた時に高橋大喜さんや西脇仁哉さんに相談しに行ったように、Loose Riders Japanが高校生や白馬を中心としたMTBコミュニティーの一部になって、Loose Riders Japanを好きでいてくれる皆さんに自分が経験してきた面白いマウンテンバイクの世界に触れてもらえたらいいなと、思ったわけです。

それと同時に彼らのコンテンツをLoose Riders Japanで使わせてもらえると本当に助かるし、自分たちの写真や動画が目に見えて世界から反応をもらえると喜んでもらえるかなと。

総じてそういうビジョンのもとでなら、関わってくれる皆との良い関係を築いて、コミュニティーとしての価値も出てくるだろうと。

自分の経験してきたことを伝えられるのは価値があることだとはもちろん思っているし、それをビジネスベースではなくてコミュニティーを広げるために使えたらLoose Riders Japanと共にマウンテンバイク文化が広がっていくお手伝いができると思いました。

個人的にそこまでする必要があると思う真意は、自分がやりたい大きなジャンプを作ってそこに価値をつけるにはそういったコアな部分を支持してくれるための裾野を広げないといけないのが分かっていたからで、クイーンズタウンの調査結果などを見ても明らかなようにマウンテンバイク人口の内、コアな1割を支えているのは、そうでない9割であってそれはどの地域でも同じだと思うからです。

研究に興味があるのも、個人的にはこっそりゲリラで作れる程度の規模のジャンプはあんまりやりたいとも思わないので、やるならオフィシャルでどでかいのを作る必要があると思うからです。

結局は自分のやりたいことをやるために必要なことをやっているだけとも言えますが、両方あってそれでいいと思っています。

そのためには皆で楽しめる場所を提供する側になることは必要ですよね。

ただこの時はまだ見えていなかったけど、白馬での生活を続ければ続けるほど、白馬のマウンテンバイク文化が魅力的になっていくことそのものが自分のやりたいことになっていきました。

そんなわけで白馬岩岳での生活が始まるのでした。


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