やっとエコーで虫垂炎っぽいものを見つけたら?
今度は虫垂炎っぽいものを見つけた時のお話です。以前、カタル性の中でも正常と見分けがつきにくいものもあることをお話しましたが、今回はthe虫垂炎とも言える蜂窩織炎性虫垂炎を考えてみました。
こんな感じで「ぶりっ」と腫れるわけですねえ。
虫垂炎の評価に期待されること
まずは虫垂を見つけることからスタートです。見つけた次は以下の病気に分類します。
虫垂炎は病期によって以下のように分類できます:
level 1 カタル性 粘膜・粘膜下層に炎症が限局
level 2 蜂窩織炎性 全層に炎症が波及したもの
level 3 壊疽性 壊死や梗塞をきたしたもの
level 4 穿孔性 穿孔したもの
というわけで、これを分類することがエコーのお仕事となります。特に単純性か複雑性かは治療のややこしさが違うので、level 2 vs level 3の戦いは重要です。
さて、それぞれ対戦してみましょう!
カタル性 vs 蜂窩織炎性
カタルさんは炎症は粘膜下層にとどまるのに対し、蜂窩織炎さんは全層に炎症が波及します。つまり、カタルさんは炎症の主座が2~3層で主体でおとなしいのが特徴です。結構正常ととるか悩みます。蜂窩織炎さんは3層が強く腫れてきますし、全層を越えれば、周囲に波及し脂肪織炎を起こす凶暴なやつです。
蜂窩織炎さんはカタルさんがレベルアップしたやつなので、壁が過伸展してなければ壁の血流シグナルがガンガン観察されます。
蜂窩織炎性 vs 壊疽性
ここの戦いでは層構造の有無が重要になってみます。つまり、蜂窩織炎では壁の連続性が保たれたまま主に第3層が腫れるのですが、動脈梗塞から壊死に陥ると、壁が菲薄化していき、最終的には穿孔します。こうなると虫垂内容物が腹腔内に漏出するので膿瘍形成をきたすわけです。つまり、菲薄化して層構造が消失したものが壊疽性を疑う根拠となってきます。
蜂窩織炎性虫垂炎の超音波所見のまとめ
虫垂腫大
第3層主体の壁肥厚(白い層が厚くなります)
層構造は温存されている
血流シグナルは豊富に観察される場合が多い
周囲の脂肪織肥厚やfluid(膿性腹水)が出現することが多い
実際には蜂窩織炎に一部壊疽性部分があったり、穿孔部分があったりと、オーバーラップすることも多くありますが、上記所見が蜂窩織炎性のベースです。
次は穿孔の話ですかね??
*あまり頭を使わずに書いてますので、ちゃんとしたテキストで勉強しないとダメですよー!
ミケ ٩( 'ω' )و