グラスの中の赤い宝石はイタリアから
薬草酒の中でも最もポピュラーな銘柄は?と聞かれれば、間違いなくこのミラノ生まれの赤い彗星ことカンパリを答えることだろう。
1860年、ミラノの街にてガスペール・カンパリは酒屋を営んでいた。彼は14歳からバーで働き続けていたそうで、日本では違法だけれど言い換えれば筋金入りってことなんだ。
日々、自分のお店でお酒を売って行く中でもっと美味しくて体に良いお酒を生み出せないかと試行錯誤して行く中で生まれたのがこの一本なのだ。
初めは“オランダ風苦味酒”という意味のAll’uso d’Hollandiaをお酒の銘柄にしていたのだけれども、彼の開いたCaffe CAMPARIというお店は大繁盛していてイギリスから国賓が来るほどになっていったんだ。
息子のダヴィデ・カンパリに代替わりする頃には更に大きな企業になっていて、ついに自分の名前を銘柄に刻むまでに成長したんだ。僕たちの国で言う日本酒みたいにね。
あと、1932年には世界初のボトルドカクテルを発売して更に広まっていったそうな。写真はそのカンパリソーダ、居酒屋でも飲めるカクテルは誰の口にも甘く、ほろ苦い味わい。