【社内報の作り方】経営計画盛り込めていますか?
社内報の構成は、ニュース記事、告知記事、そして企画記事です。この企画記事が厄介で躓きポイントですが、社内報制作の醍醐味でもあります。今回は、その大前提をお伝えします。
経営計画を理解する
企画記事とはテーマ性の強い記事のこと。例えばBRUTUSやananの特集のような記事をここではイメージしてください。表現の自由度が高いだけに、難しく迷宮入りしやすいものです。月刊誌の場合ならすぐアイデアが枯渇するでしょう。また何故このタイミングで?と問われたとき答えに窮しがちです。こうした事態に陥らないために必要なのが経営計画の理解です。
皆さんの会社には中期経営計画はあるでしょうか?アクションプランと銘打っている場合もあります。まずはこれを読みましょう。そこには例えば新事業展開、利益率を2%改善する、売上1000億円にするなど、冒頭にサマリーがあるはずです。これをテーマにすることが鉄則です。後はそれを体現した成功事例、具体的手法、責任者インタビューなどを編集方針に基づき最大限表現すれば良いだけです。
経営計画が無い…
しかし中期経営計画が存在しない会社は少なくありません。どうすれば良いでしょう。こうした場合、大抵は創業社長の感覚で経営されています。つまり経営方針、計画は、社長の頭の中だけにあるパターンです。解決策は意外と簡単で、年度始めにインタビューをすればOK。この時に、頭の中をしっかり覗き、また社内報に期待することなども同時にヒアリングしましょう。一般社員はなかなか社長と話す機会はありません。まして経営の話など絶対無理です。役員ですら踏み込めない場合もあるくらいです。
前提は収益構造の理解
ここまで経営計画の重要性をお伝えしてきましたが、前提は会社の収益構造が理解できていることです。これがないと、社長へのインタビューはちぐはぐになりますし、逆鱗に触れれば、最悪担当を外されます。会社がどういう仕組みで収益を上げているのか、競合はどこで強みは何なのか。現場で起きていること、今の課題。こうした経営環境を理解することで初めて社内報の企画が立てられるのです。
企画の良し悪しは、知識量で決まります。社内報が経営ツールである以上、作り手もまた経営感覚が求められるのです。
今回の一冊
「もしドラ」で同じみ、マネジメントの生みの親P.F.ドラッカー。彼の著作は、やはり難しく、読み解くにはかなりの知識が必要です。しかし、この本は講義録ですべて口語。理解しやすく、上下巻ともに一気に読めます。ここで語られるのは、マネジメントの重要性。「管理職に最も求められるのは、自身の管理」は金言です。経営=人間に対する理解なのだと気づかされます。社内報で経営の一端を担う人に、経営の面白さ、奥深さを伝えるおススメの一冊です。
社内報の作り方|創刊編 各記事はこちら
VOL.01 発行目的を決めよう
VOL.02 コンセプトって、どう決めるの?
VOL.03 媒体を考える
VOL.04 ルールを決める編集方針
VOL.05 デザインを決めよう
VOL.06 経営計画盛り込めていますか?
VOL.07 ページネーションを決めよう
VOL.08 コーナー企画は数が命?
VOL.09 協力者はいますか?
VOL.10 アウトソーシング①
VOL.11 アウトソーシング②
VOL.12 アウトソーシング③
最終回 誰が決めるの問題