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奇跡の旅が味わえる本5選
コロナ禍で旅行に行けず一年が終わろうとしている人は多いことでしょう。かくいう私もウズベキスタン旅行を泣く泣くキャンセルしました。この週末も、どこにも行かない。そんな秋の夜長にオススメする読書旅行5選をご案内します。
1冊目
沢木耕太郎著
深夜特急
旅人永遠のバイブルといえば、地球の歩き方か本書でしょう。ユーラシア大陸を横断するというバックパッカー憧れの旅は、その後電波少年の企画にもオマージュされました。読了後、新婚旅行でローマに行った際、その描写のあまりの正確さに唖然としたことを覚えています。少しカッコつけたところはあり、虚実入り混じっているのでしょうが、そんなことは気にならないくらい、旅の魅力、本質が詰まっています。どっぷり浸かると、もう抜け出せないかも。今では通れないルートもあり、まさに奇跡の旅です。
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決して真似のできない旅。高野秀行さんの著作のほとんどがそうなのですが、本作はその極めつけ。違法違法の連続で、最後は「これって旅か?」というとんでもない結末を迎えます。しかしテーマはいたって学術的な話。一般に知られる中央アジアの砂漠を通るシルクロードとは別の、東南アジアを抜ける密林の交易ルートを探しに行くという、小難しいレポートでも出てくるのではないかという話。しかし文体はスリリングで難しさゼロ。とにかく旅の大変さ、現実を「実感」させてくれる、いわば人間賛歌のような一冊です。もし間違って「行きたい!」となっても、その責任は負いませんのであしからず。こんな旅して帰ってこられるなんて、本当に奇跡です。
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女優高峰秀子さんが、ベネチア国際映画祭で出演作が金獅子賞を受賞した際のヨーロッパ旅行の日記。夫婦やその仲間でのヨーロッパの日々が、端的でしかし魅力的な文体で綴られていて、この時代を生きた女性の丁寧さや、日常の他愛のない出来事を、鮮やかに追体験することができます。夜枕元において、数日分ずつゆっくり読んでいくと、この旅の長さを実感できるので、おススメです。それにしても贅沢とは何かが、はっきり分かります。旅先での受賞、またこの時代にこんな旅ができること、誰にもまねできない奇跡の連続ですね。
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感性の塊ですね。天才としか言いようのない文体で、心がどんどん引き寄せられていくのが分かる紀行文の傑作。ロシアという難しい国を、女性ならではの瑞々しい感性で、描いたというより、吐露したような、そんな旅行日記です。心の持ちようで、旅はいくらでも輝ける、そんな極上の感性に触れる奇跡の追体験をぜひ。
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5冊目
蓮池薫著
半島へ、ふたたび
北朝鮮の拉致被害者であり、奇跡的に家族で帰国がかなった蓮池薫さんが、一旅行者として朝鮮半島(韓国)へ渡るルポタージュ。壮絶な体験を振り返るその語り口は軽やかで決して重くならず、でも事実は非常に重いという、複雑な気持ちにさせる一冊です。蓮池さんの凄いところは、人生をある意味で達観している、その精神性だと思います。キムチづくりのエピソードは、冬の食糧を確保する大切な命をつなぐ作業なのに、ユーモラスで飄々として、決して悲壮感がなく、ああ生きることに前向きだなー、とただただ感心させられました。流石に翻訳者。プロの書き手の文章は本当に読みやすい。
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いかがでしたでしょうか奇跡の旅。決して真似できない体験をぜひ!
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