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上場企業→スタートアップに転職した男の末路


新卒で入社した上場会社を丸1年で退職し、株式会社ROXX(旧SCOUTER)にジョインしてから、すでに2年がたった。その時はSCOUTERというプロダクトも世の中に出ていなかったので、会社に"売上"というものはまだなかった。前職の上司からは「そんな会社に行って大丈夫か?」と頻繁に心配され、とある上司には「お前の人生終わったな」と言われたのをよく覚えている。

特に大手企業に勤めている若い人たちは、スタートアップに転職しようとした時に、会社の上司や親からは猛反対を受けてしまっている人も多いと思う。

「それでも俺が決めたんだ」と強い志を持って振り切れないと、一昔前の価値観に雁字搦めになってしまっている大人の良心に縛られてしまい、なかなか決断できない人も多いと思う。僕自身も決断する時には、大きな葛藤があった。

でも、あの時どんなに否定されていても、この2年間で自分が経験してきたことだけがリアルだった。この2年で本当にいろんなことが起こった。

せっかくなので、あの時に上司から否定された言葉に対して、僕が経験したリアルを綴っていきます。スタートアップへの転職を考えている人にとって、何か参考になれば最高に嬉しいです。


「どうせ年収も大幅に下がるんだぞ」


はい、間違い無いです。大手企業→スタートアップに転職すると、年収は間違いなく下がる。僕みたいな新卒入社からたった1年での転職でも、インセンティブを含めた年収は、100万円以上減ったと記憶している。

でも冷静になって考えてみると、1-2年くらい多少お金がなくても全く問題ない。友達2人で高円寺の家賃6万円のボロアパート(良く工場って言われてた)に引っ越したので家賃は月3万円だったし、お金がキャッシュアウトしそうな時は「ここは俺がクレジットカードで払うから、3000円ずつお金集めまーす」とか言って、飲み会で錬金術を使い、必死にキャッシュフローを回せば生きていける(回ってないんだけど笑) まぁ日本にいたら飢え死にすることはまずないので。

もちろん圧倒的なスピード感で、過去に存在していない答えを探し続ける作業は、死ぬほどしんどかったし、今思い出してもしんどいこともある。でも2年くらいたってふと立ち止まると、あ、なんかいつの間にか結構成長してたのかもって思っちゃったりする。(もちろんまだまだ発展途上だけど)



自分が数年後にどうなっていたいのか考えたときに、今いる会社の上司になりたいのか、他になりたい自分像があるのかを冷静に考えてみる。その問いに答えが出て、残りがお金の問題なら、多分スタートアップに転職したほうがいい。

そして上記の問いには、「今の僕にとっての必要なものはお金ではありません」と言い返そう(笑)


「どうせブラック企業だぞ」


ブラック企業なんて言葉を意味も考えずに使っちゃう人たちからすると、確かにそうかもしれない。「スタートアップにはブラック企業が多そう」なんて思っている人は、多分スタートアップに向かない。世の中のブラック企業の定義で語られていることのほとんどが、スタートアップで言うと、”まだ決まっていないだけ”というケースが多いから。だから創業者たちが労働者を苦しませようと意図して、そうしている訳ではないし、創業者たちも良くなるなら改善したいと思っている。

つまり、人事制度がないなら一緒に作れば、むちゃくちゃみんなハッピーだし、労働時間が長いなら生産性上げる仕組みを作り上げればみんなハッピーだよねって感じ。このような組織課題も含めて、一緒に解決していくプロセスに気持ち良さを感じるくらいじゃないとしんどいし、実はこの経験こそが年収を下げてでも得たい経験であり、数年後に大きなリターンとなって返ってくるものだと思っている。自分自身、まだ2年しかたっていないけど、そう感じることが増えてきた。

もちろんむやみに長時間働くことについては肯定的ではないけれど、労働時間だけじゃなく、"よく"働ける。もちろん社員が少ないから作業もやるんだけど、大手企業と比較して作業以外のエキサイティングな仕事の数が圧倒的に増える。大手で数年我慢しないと経験できないような、裁量とともに責任を伴うエキサイティングな仕事をたくさんしたいなら、多分スタートアップに転職したほうがいい。

そして上記の問いには、「僕にとっては、ブラックではなく、オフホワイトです」と言い返そう(笑)


「不安定だからリスク高いぞ」


うん、確かに不安定です。というか変化が多い。そしてリスクという観点では、「大手だから大丈夫」とか思っているほうが個人のキャリアとしては危ないと思う。

でも確かに変化は多いし、「この間こう言ってたから、地道に準備を積み上げてきたのに、また方向転換か...」と言って落ち込んでいる暇なんてない。もはや意味がわからないくらい、いろんなものが変化する。市場の変化が早いのもそうだけど、365日24時間ずっと事業について考えている創業者たちがすぐそばにいるので、凄まじい変化を感じることができる。

この変化をマイナスに捉えてしまったり、「言ってること変わりすぎやろ」と不平不満を言っている間は、見えていない部分が多いので、もっと創業者に食らいついていく必要がある。自分自身もそうだったし、実際文句言っているうちはあまり成果を出せていなかった、自分が見えていない部分が大きいだけだったから。

もちろん変化ってしんどいけど、「成長」とか「成果」を求めるなら、創業者が起こす朝令暮改を超えるような「変化」を理解し、なぜその変化が起きたのかを正確に捉えていかなければいけない。そして、創業者以上のスピードで、自ら変化を起こしていけるようにならないといけない。

大手企業にいて同じことの繰り返しに飽き飽きしており、こういう変化にワクワクしてしまうタイプの人は、多分スタートアップに転職したほうがいい。

そして上記の問いには、「リスクテイクしないと死ぬぞおっさん」と言い返そう(笑)



「どうせ入ってからは、ギャップだらけだぞ」


むしろ大手からスタートアップに来て、ギャップがなかったらおかしい。そもそも色んな物事に対しての基準が違いすぎるので、採用する側も基準を揃えて全てを伝えるのが難しいからだ。

そして、何千名社員がいる大手企業から、シェアを奪う必要があるスタートアップは、マーケットでの見せ方がうまいことが多い。僕の場合は、サービスがリリース前だったので特にギャップはなかったけど、「あれ、メディアではキラキラしたのに/スタートアップバトルで優勝していたのに、入ってみると全然何も整ってない」みたいなことが普通に起きる。

でもそんなの当たり前だ。やるべきことなんて死ぬほどあるし、人数少ないうちは整える暇があるなら、どんどん突き進んだほうが早かったりする。そんな状況でも「よっしゃ、やったろ」って思える人は、多分今すぐスタートアップに転職したほうがいい。


そして上記の問いには、「ギャップが無いとつまらないっすよ」って言い返そう(笑)



まとめ


あえて、スタートアップへの転職で批判されそうなこと4つを肯定しつつ、あくまでマッチする人にとっては最高の場所だと思いますよという記事でした。多分マッチしているのに、周りの人からの良心的なアドバイスで、一歩を踏み出せていない人の背中を押せると最高です。


・やりたいことが一致している
・共感しているビジョンがある
・最高な創業者がいる
・解決したい課題が一致している
・成長したい


そんな人は、誰になんと言われようとも、今すぐにスタートアップに転職したほうがいい。でも死ぬほどやりたいことがあったり、解決したい課題がある人は何も言わずに起業していると思うので、「とにかく成長したい!」くらいの動機がスタートアップへの転職としては最高なのではと思う。覚悟さえあれば、別に崇高な理由なんていらないと思う。



そしてキャリアは突然変わる



----3月某日のオフィスにて

「いつか東南アジアでこういうことやりたいんですよねー」

と何気ない会話の中で、経営陣にぽろっと話す自分。

「えー行きたいなら行っちゃえばいいじゃん!決定!いつから行く?どこに住む?」

と言って、Airbnbでカンボジアの物件を物色し始める社長。笑

「いいじゃんー全部リモートワークでも成果出せる業務だしね」

と言いながら、裏側では冷静にリスクがないか見極めて分析し、今後起きうる事態を予測しているであろう、COOの山田。笑 



という訳で、、



このnoteのタイトルでもある、上場企業→スタートアップに転職して丸2年がたった僕の末路ですが、、




6月からカンボジアに半移住します。




SCOUTER社にて、BtoBマーケティング責任者としてOKRの数値責任を持ちながら、カンボジアでリモートワークで働きます。こんな馬鹿げたことを言っても、「成果を出せるなら」「生産性が上がるなら」と背中を押してくれるSCOUTER社の経営陣は最高です。

「え?そんな適当にキャリア決めちゃうの?」って思う方もいるかもしれませんが、本当に川の流れのようにチャンスは流れ去っていってしまうので、自分の直感こそが信じるべきものだと思います。自分のことを死ぬほど考え続けているのは自分だけであり、その思考の集積が直感だと思うので。そして僕みたいなとても平凡な人間は、いかに他の人が選択しないことを選択していけるかが勝負ってのが唯一のキャリア論なので(笑)


これからカンボジアに行って、何をするのかはおいおいnoteで公開していきますし、向こうでの失敗もどんどん赤裸々に発信していきます。日本と人口ピラミッド真逆ともいえるカンボジアすごいんすよ。これから多分すごく伸びる。

でも、7月の選挙次第では荒れそうだけど。笑


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こちらの記事を見て、スタートアップへの転職のスペシャリスト、キープレイヤーズ高野さんから取材いただきました。

かなり今のリアルをお話ししたので、下記のような方はぜひこちらもご一読ください。

・スタートアップに転職したい人
・リモートワーカー、複業家
・海外志向の人


また、スタートアップへの転職を考えていらっしゃる方も、お気軽に下記よりご連絡くださいー。お茶でもしながらご相談に乗らせていただきます!


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Daisuke Ueki
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