『奇跡の経営』を実践する企業と、子供の幸福度が世界一のオランダ教育に触れる旅
社員を信じるマネジメント、子供を信じる教育
先日、オランダの企業と学校を回るスタディツアーに参加しました。
主催は、SSIという『奇跡の経営』の経営スタイルを広める団体だったこともあり、よくあるピラミッド型組織ではなく、自立分散型やティール型と呼ばれるような特徴的なマネジメントを実践している企業を訪問しました。
実際に伺ったのは、コーチングマネジメントによって生まれ変わったオランダNo.2の銀行や、管理職のいない創業30年・社員170名・売上60億円の製造会社、倒産寸前の会社を買収しV字回復を実現した建築会社など。
文字で伝えるのは難しいですが、どの会社の話も結構な衝撃で。
例えば、銀行の改革は、3,500名の組織で行われています。アクセンチュアやBCGなど10社との競合コンペにSSIが勝ち、270名のマネージャー体制から60名のコーチ体制に切り替えるなどの大きな変革を実行された結果、顧客満足度が大幅に改善したという内容でした。銀行という固いイメージのある業態でも、管理型のマネジメントを廃止し、現場メンバー個々人での意思決定を促すセルフマネジメント型の組織運営が成り立つことを実証されている貴重な事例だと思います。
また、倒産寸前だった建築会社は当時、オフィスの物が盗まれるからという理由で、本部の事務所には現場社員が入れないように扉に鍵がかかっていたらしいのですが、そんな状況下でこの企業を買収したCEOの最初の施策は"全社員にオフィスの鍵を預ける"こと。「とにかく君たちを信頼していると伝えたかった」という言葉には痺れました。
次に教育。子供の幸福度が高いことで有名です。
こちらはSSIとは別のルートで、日本でも注目を集めるようになったイエナプランやモンテッソーリを導入している学校や、『奇跡の経営』の著者であるリカルド・セムラー氏が立ち上げたルミアールという学校にも訪問しました。
※ルミアールについては、リカルド・セムラー氏のTED講演で言及されていますので、是非ご覧ください。
学校に訪問して驚いたのは、先生たちの信念の強さです。「イエナプラン」や「モンテッソーリ」といった教育スタイルにこだわるという感じはなく、とにかく子供達にとって最高の教育を提供したい、という思いが言葉の節々から伝わってきました。
企業と学校。一見すると全く違う世界にも感じられるかもしれませんが、今回の訪問を通じて、明確な共通点があると感じました。それは、「相手を信じる力の強さ」です。
企業の現場では、経営陣が社員のことを心から信頼していることが伝わってきました。それは社内の制度にも表れていますし、何より彼らが会話している様子からも見て取ることができました。
学校の現場では、子供に対する先生の向き合い方が素晴らしいなと。信頼しているというよりは、深い愛情を持って接している、というのが的確かもしれませんが、「子供は学びたいと思っている」「彼らのチャレンジは必ず成功する」という信念の元、本気で子供と向き合う姿に感動しました。
相手のことを信じられるかどうかで、アプローチが変わる。それは相手が大人でも子供でも同じ。オランダの企業や学校の魅力は、この信頼関係という土壌が基盤としてあるからこそ生まれているということを感じました。
経営手法や教育スタイルは、書籍でも学べます。ただ、それを支える土壌については、やはり現地に足を運んで体感する以外の学ぶ術はないのではないかな、と。
そこで、この学びをいろんな方にも体感していただきたいという思いから、今年の5月に自分が主催者として、オランダスタディツアーを開催することにしました。
信頼で繋がる関係性の中での経営や教育に興味がある方に、是非参加してもらいたいと思っています。
オランダスタディツアーについて
今回、(株)はぐくむとZaPASS JAPAN(株)の2社合同で開催することになりました。UberやDeNA、ガイアックスの組織コンサルに携わられているはぐくむ社代表の小寺さんがファシリテーターを務めます。
開催は2020年5月18日(月)〜5月22日(金)の5日間。企業は3社、学校は3校を訪問する予定です。
5日間で6箇所というのは、他のスタディツアーと比較すると少し物足りなく感じられるかもしれません。ただ、この設計には理由があります。
私は昨年、オランダ以外にも、デンマークなどいろいろなスタディツアーに参加しました。その時に感じたのは、訪問数が多すぎると、一件あたりの学びが薄まるということ。特に、1日に3件以上まわると、1件目での記憶を取り戻すのにかなり苦労しました。
ツアーの目的は、現地で得た気づきや学びを自身の実生活に活かすことにあると思っています。そのため、自分で主催する場合は、ツアー後のアクションの繋げやすさを意識した設計にしたいという思いがあり、このようなスケジュールになりました。
まだ確定していない箇所もありますが、ざっくりとこのような流れで5日間を過ごします。
<2020年5月18日(月)〜5月22日(金)>
1日目:『奇跡の経営』の著者が立ち上げた「ルミアール」の元校長による講演とディスカッション
2日目①:コーチングマネジメントによって生まれ変わったオランダNo.2の銀行への訪問
2日目②:倒産寸前からV字回復を果たした、信頼型マネジメントを徹底する建築会社への訪問
3日目:社員は家族。創業30年、一族経営の会社でありながら、非連続的成長を続ける製造会社への訪問
4日目:日本でも注目を集める「イエナプラン」「モンテッソーリ」の学校を訪問
5日目:グループコーチングを通したツアーの振り返りとアクションの整理
ちなみに、ツアーの学びをアクションに繋げて欲しいという思いから、希望者には帰国後にコーチングサービスを提供する予定です。
「スタディツアー×コーチング」という新たな学びと実践のスタイルを提供していきたいと考えています。
スタディツアーに関する説明会を開催します
ツアー内容の詳細をお伝えする場を作りたく、説明会を実施することにしました。ご興味ある方は是非お越しください。
日時:2020年1月16日(木)19時半〜21時半
場所:東京都千代田区平河町2丁目5-3 Nagatacho GRiD1F
費用:2,000円(ドリンク・食事付き)
定員:15名
説明会への参加は難しいけどツアーへの参加は検討したい、という方には別途Facebookグループへご招待します。ツアーに関する情報の共有や、ツアーで訪問予定の企業や学校を紹介するオンラインイベントを開催予定です。
事前説明会への参加、またはFacebookグループへの参加をご希望の方はこちらのフォームから登録をお願いいたします。
ちなみにまだ未定ですが、基本的には全ての予定を午後に設定しようと思っています。
「オランダの6時-12時」は「日本の13時-19時」のため、うまく時差を活用すれば、午前中にがっつり仕事をして午後はスタディツアーに参加する、ということも可能ですので、休みづらい方も参加しやすくなると思います。かなりハードですがw
それでは、お待ちしてます!
(長々と書いてみましたが、結局は純粋に、自分がオランダで体験して感動したことをいろんな人にも体感して欲しい、という思いが強いです。ビジネスと教育を通して、オランダの良い部分を知って欲しい。そしてそれはきっとご自身の仕事やプライベートに役に立つはず、と信じていますので。
一緒にオランダで楽しく濃密な時間を過ごしましょう!!!)
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