マネジメントに携わる人にこそ、コーチングを学んで欲しい
今年、自分の会社で提供しているコーチング講座を実際に受講したのだが、大きな変化があった。特に、マネジメントにおいて。
2019年の中で最も大きな学びになった経験をまとめておく。
人の話を「聴く」ことの難しさ
この講座は私の会社で提供しているのだが、講師は(株)はぐくむの代表を務められている小寺さんにお願いしている。誰もが知る大手企業を相手に組織コンサルをされていて、私の本業であるガイアックスでも、もう2年に渡り伴走していただいている。
小寺さんが提唱するコーチングの基礎となるスキルは、「傾聴」「質問」「フィードバック」の3つ。
中でも個人的に学びが深かったのは「傾聴」。Twitterでも多くの方に取り上げていただいたが、この"人の可能性を潰す12の聴き方"を知った時は唖然とした。
「もっとこうしたら良いんじゃない?」
「あー、自分にも昔同じことがあってね、〜〜」
「それは考えすぎだよ、大丈夫、たいしたことない。」
どれも良かれと思っていたやっていた。もちろん必要とされる場面もあるだろうけど、それを見極めて話せていただろうか。過去の自分のコミュニケーションを猛省した。
メンバーの成長の機会を、奪わない
マネージャーの役割って、教えることだと思ってた。スキルを身につけ、手本を示す。何か質問されたら、いつでも、なんでも答えられるようにしておく。
それも大事。でも、この意識が強すぎると、メンバーの成長機会を奪ってしまうリスクがあることに気づいた。
例えば、こんなことがあった。
以前、メンバーがミスをして、クライアントに謝罪することになった時のこと。謝罪のアポイントが終わり、2人でカフェに行って振り返りをした。
「何が原因だったと思う?」
「今後改善するにはどうすれば良い?」
上のような質問をしても、黙ってしまって、返答がなかなか返ってこない。
今後同じようなミスを防ぐにはどうすれば良いか
クライアントからの信頼をどうやって回復するか
こちらとしては、話したいことがいろいろある。自分も昔同じような経験をしてきたからこそ、気付けることも多い。はやく、伝えたい。
でも、ここで立ち止まれるかどうかが相手の成長に影響する、というのがコーチングを受けてからの学びで。
教えたい、というのは、きっと相手はわからないはず、という前提に立っていることが多い。問うてもわからないだろう、だから教えてあげよう、と。
でも本当にわからないのだろうか?
自分がミスをして、迷惑をかけた。
もう、同じようなミスをしたくない。
クライアントにもまた信頼してもらえるように改善したい。
本人にはきっとこういう気持ちがあるはずで、だとすれば、全て教えることが本当に正しいことなのだろうか。
大好きな漫画の『アオアシ』にこんな一節がある。
"自分でつかんだ答えなら、一生忘れない"
そうか、僕はこれまで、彼らが一生の糧になるかもしれないような答えを手に入れる機会を、奪ってしまっていたのか。
当然、答えを求められることもある。答えを教えることが適切な場合もある。
大事なのは、そのどちらなのかを見極めること。相手の状態を観察し、まだ思考している途中なのであれば、待つ。答えに辿り着こうとしていると信じ、黙ってそのプロセスを応援する。思考し尽くしたタイミングで初めて、手を差し伸べる。
この見極めは、本当の意味で「聴く」ことができていないと、できない。
相手の可能性を信じ、全ての意識を目の前の相手に集中させ、見守ることができるか。
コーチングは、小手先のテクニックではなく、人としてのあり方が問われることを学んだ。
ちなみに上の例で挙げた彼は、1分近く沈黙した後、目に涙を浮かべて話し始めた。まだまだ修行中の身だが、こんな自分でも少しは貢献できたのかもしれないと思った。あの時、自分の力で手に入れた学びが、今後の彼をきっと支えてくれると信じている。
マネジメントに携わる人に、学んで欲しい
VUCAと呼ばれる現代において、経営陣が正解を提示し続けることは難しい。未来を予測する難易度は上がり続けている。
だからこそ、いち早く変化を察知し柔軟に適用していくためには、メンバーの誰もが気づいたことを発言しやすい環境が大事だと思っている。そしてその環境を実現するためには、コアとなるメンバーがコーチングスキルを身に付けていることが重要なのではないかと考えている。
もし、マネージャーが聴く耳を持ってくれなかったら。
メンバーは話す気がなくなるかもしれない。どうせ提案をしても受け入れてもらえないだろうし、言っても無駄だろう、と。その結果、組織内に集まる情報は制限され、重要な気づきを見落としてしまうかもしれない。
最近流行りの1on1だって、逆効果になり得る。
きちんと話を聴いてくれない相手と2人で過ごす時間は、苦痛でしかない。上司は良かれと思ってやっていても、受ける側は早く終われと思っている、なんてことも起こりかねない。関係性が悪化し、情報がさらに遮断される。
メンバーの話を"聴く"ことで、彼らが気づいたことを自由に発信しやすい雰囲気を作り出すこと。これはマネージャーに求められる重要なスキルの一つではないかと最近考えている。
先日、オランダのある有名な銀行を訪れた。
3年前まで、3500人のチームに270人のマネージャーがいたらしい。それが昨年、マネージャーを廃止することを決定した。代わりのポジションは「コーチ」。これまでのマネージャーが担っていた仕事は、業務スキル向上をサポートする「スキルコーチ」と、働きやすい環境を支援する「チームコーチ」に分かれたらしい。コーチになったのは60人。残りの210人のマネージャーは退職したそう。しかも、それで業績が伸びた、と。
日本でも、社内コーチを採用している会社が既にある。
コーチングは、マネージャーの必須スキルになるかもしれない。
コーチングを学びたい方へ
ここからは告知です。笑
ただ、内容にはすごく自信があります。
来年の1月から、コーチング講座の第2期が始まります。
詳細はこちら。
完全オンライン型の講座なので、場所は自由。毎回録画されるので、全ての回に出られなくてもキャッチアップできます。
加えて、講座の受講者は全員、月1回のコーチングを無料で受けることもできます。プロのコーチのセッションを受けながら、コーチングを学んでいただきます。
また、受講後にZaPASSが運営するプラットフォームへコーチ登録もできるので、コーチとして活動したい方はすぐにクライアントを見つけることも可能です。
興味がある方は是非ご連絡ください。
https://zapass.co/contact
管のTwitter・Facebookに個別に連絡いただいても構いません。
https://twitter.com/suga_neo
https://www.facebook.com/daisuke.suga.71
なお、ご連絡いただいた方には、第1期の講座の様子を記録した録画データを1回分お渡しします。
コーチングを学んだ方の声
最後に、第1期の講座を一緒に学んだ方々の声を掲載しておきます。
第1期の同期たち。
同期って良いですね。
この歳になってもまた特別な仲間が増えて、嬉しい。
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