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「文化財のDX化#私の働き方実験 #中間報告書」

ランサーズの「新しい働き方LAB」の3期生としてLenovo指定企画「スマートグラスで働くのウェルビーイングは高まるのか?」という社会実験(?)企画(?)に参加しています。
10月21日が中間報告の提出日なので、これまでの実験結果・成果をまとめました。
他の研究員の方みたくカッコよくなく、文字が多くなってしまうのですがお付き合いください。

「新しい働き方LAB」の詳細は↓
https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/

◆実験の目的と背景
3年間続いた「コロナ禍」。
その影響で、長年、毎年同じ日に公開されてきた文化財の公開を泣く泣く見送った文化財がたくさんあった。
埼玉県指定 無形民俗文化材 やったり踊り も、その一つ。
他の文化財同様、コロナで集まることもできず、後継者に教えることもできなかったため、文化財の技能継承に苦慮している。
今回の実験では、スマートグラスを活用することで、文化財を独自のITアプローチで守る&伝える先進的な事例が作れないか?という思いから応募した。

◆検証したいこと
コロナ禍のおかげ(!?)で、ITの進歩・浸透が各家庭レベルで成長できたことで、「教則ビデオを作る&鑑賞できる環境」は思っていたよりも整っていた。
しかしながら、「教える側が伝えたいこと」と、「教わる側が 自分は出来ている と思っていること」の乖離が発生しやすくなっていることに気付いた。
直接接触でなくても時間と場所に縛られることなく、技能継承が望めるようになると期待していたが、「同じ場所で、直接、指導を受けることがなくなると起こる弊害」とも感じた。
そこで、実験の環境自体が、当初の想定とは変わり「with コロナ」の新時代に変わっていたため、検証内容を変更し、
スマートグラスを用いることで、「先生と生徒が、客観的な視点で、同じ動作が出来ているか」を、リアルタイムで生徒に見せ、反復して修正していくことで、
「指導時間の短縮=”技能向上”に使える時間の増幅」に繋げたいと考えた。

◆活動の概要
今までは、どんなに頑張っても、「同じ空間の中に固定された一か所のテレビやモニター、鏡等を見ながら」でしか、自分の姿を確認することはできなかった。

この場合、「視点及び頭・首の向きが固定されてしまう」というデメリットがあり、これは、舞踊系では頭の向きを固定することになるため、実はあまり実用的ではない練習方法である。
また、ビデオカメラ等で録画するとしても、「終わった後に確認する」ため、リアルタイムでの修正が出来ないため、生徒は踊っているときの感覚が掴みづらい。

スマートグラスを使うことで、その両方を払拭し、「リアルタイムに、動作の修正を反復練習させることが出来る」ようになるため、
「指導時間の短縮=”技能向上”に使える時間の増幅」に繋がると考えた。
例えば、生徒がスマートグラスを着けていて、上を向くと、上を向いている自分の姿が見えるのである。
言い換えると、自分を見ている他の人の視点が、常にスマートグラスに映されるということである。

例えば踊りの中で、自分が斜め45度、上を向いたつもりで居ても、実は10度程度しか上を向いていなかったりしたときに、
「自分がどれだけ顔を上に向ければ斜め45度の角度になるのか?」が、すぐに確認出来るのである。

良くあることだが、自分以外の大人が、「もっと上向いて!」と言っていても、「私は出来てるってば!」と生徒本人が思っていることは良くあるが、
スマートグラスを通して、「ちゃんと出来てない自分の姿」が映し出されるので、自分が出来ていないところがどこなのか改めて認識することになる。
そのプロセスが、IT×文化財という形で、どの団体でも採用出来る手軽さを実現出来れば、文化財の保存・存続・技能継承に大きく寄与するはずと信じている。
IT×文化財による、「新たな価値の創出」が大いに期待できる内容である。

自身が参加している祭り「やったり踊り」は7/15に終わってしまったが、継続して実験が続けられるように、春日部市教育委員会 文化財課と連携して市内の他の文化財「赤沼の獅子舞」と「銚子口の獅子舞」の協力を得ながら、12月までの実験に取り組んでいく。

無線化したスマートグラスを通して、生徒が自身の姿を客観的に見ることで、新たな「気付き」を得られたら、その技能の習熟度を早めることが出来ると考えている。

■アウトプット・成果
10/2 公開 赤沼の獅子舞 編 https://note.com/daisuke_san_sg/n/nd397a3e7c215
10/11公開 銚子口の獅子舞 編 https://note.com/daisuke_san_sg/n/nb98e72818129
どちらも、10/15の「秋の例大祭」の公開に向けた練習にお邪魔させてもらった。

NOTEの表紙に使われている写真、これは、スマートグラスを着けている生徒が見ている光景です。

10/2公開のNOTEでは、お客さんの目線から、自分の踊りはどのように見えているのかを理解したことで、本人の意識に変化がありました。
「足が自分が思っていたよりも上がっていなかった」という本人の気づきもありました。

10/11公開のNOTEでは、今まで何度も先生が生徒に伝えていたにも関わらず治らなかった腕の振り方が、15分で改善出来ました。
写真では生徒(スマートグラス着用者)の腕は、顔の前で交差していますが、前回までは、頭の上で交差させていたようです。
短時間で、ポイントを絞った矯正が可能という良い事例です。

生徒が、「出来ていると思っていたことが出来ていなかった」ことに気付くことが、学びの向上に寄与することを証明できたと思います。
これを、来年度の、自分の参加している「やったり踊り」の小若指導に役立てたいなぁ、、、!
取り急ぎ、やったり踊りでは定例会として2か月に一回、集まって課題の共有を続けていくことになっているので、
次回、11月に、やったり踊りの面々に、このシステムを見せてみようと思っています。どんな反応が返ってくるか楽しみです♪

来年度、全10回前後の練習での習熟度の促進が出来るか? 
あたらぼの研究期間は終わってしまっているけど、是非継続して注目して頂きたいですね、、、!

■スケジュール・進め方
2023年6月中旬~12月中旬の6か月間
・7月     研究員同士でアイデアソン!
・8月~11月 獅子舞・神楽等、春日部市内の文化財の練習日に協力要請
・12月    ピッチコンテスト(結果発表会)

2024年6月~7月14日頃:やったり踊り小若練習(6月上旬から全10回程度を予定)
この研究の集大成がここに!(レノボさん、スマートグラス貸しっぱなしにしてくれないかな?)

■その他の気付き
スマートグラスの無線化で、当初想定していた以外の用途がたくさん出てきた
・モデルのウォーキング練習に使える
・プレゼンの練習に使える(客席からの目線を見ながら自分の身振り手振りを確認出来る)
・衣服のコーディネートで、後ろ姿の確認が手軽に出来る
・へスタイル(後頭部)の確認が手軽に出来る


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