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絵画の歴史 その2ルネサンス期(14c)から写真の誕生まで
「絵画の歴史 その1」では人類の誕生から振返ってみましたが、ここでは我々が美術館などで鑑賞できる絵画について振り返ってみます。
ルネサンス期における絵画の目的
古い絵画のイメージとして、宗教画があると思います。イエスキリストなどが描かれている絵画ですね。
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宗教画が描かれた目的は、端的に言うと、その宗教の信仰を広めるためです。聖書といった経典があったわけですが、当時は文字が読める人も少なかったので、聖書に書かれていることを知らせるための1つとして、絵に表現して理解してもらう必要がありました。そういったことで、「受胎告知」など、キリスト教の信仰に必要な情景が宗教画としてたくさん描かれています。
西洋絵画の主題一覧
このように西洋絵画には、その表現されている主題が重要となります。それらについて、芸大のレポートでまとめたので、以下に共有しておきます(笑)
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宗教画に並ぶ主題としては、肖像画があります。王侯貴族が偉そうな格好をして描かれている絵画ですね(笑)当時は写真というものがありませんので、自分の姿を残すには絵を描くしかありませんので、お抱えの画家に自分のことを勇ましく描いてもらいます。また、家族のことも描かせています。
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風景画の発展には道具の発展も欠かせません。当時は、絵具は画家自身が作成していましたので、室内で絵を描くことが一般的でした。ようは屋外で絵具を作り、そこで描くのは結構大変だったわけです。
18世紀半ばになると、絵描きでは売れない画家が絵具づくりを専業とするものが現れたそうで、練り上げた絵具を豚の膀胱などの皮袋に入れて販売するようにもなったそうです。なかなか面白いですね。
その後、豚の膀胱から、真鍮のシリンジ(注射器)や鉛のチューブが使われるようになります。今のようなアルミニウムのチューブが使われるようになるのは、1930年代ぐらいだったそうで、結構最近の出来事なのです。
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絵画界の黒船「写真」の誕生
光を平面に投影することでは16世紀からそのような装置があったようですが、我々がイメージする写真の誕生は、「1827年のフランス人発明家ジョゼフ・ニセフォール・ニエプス (Joseph Nicéphore Niépce) による、石油の派生物であるユデアのアスファルトを塗布した磨いたシロメの板に作成された画像」だと言われています。当然ながら白黒写真ですね。
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より写真が大衆化したのは19世紀後半で、1888年にコダック社がカメラを発売します。それ以降、カメラが急速に普及していきます。
これまで貴族は自分の姿を残すには、画家に肖像画を描いてもらう他ありませんでしたが、カメラの登場によってその必要性がなくなってしまいます。
それまでは、写実主義に代表されるように、ありのままを描くとか、バルビゾン派のように、自然の美しさを描くとか、その対象を描くというものが絵画の主題でした。しかし、写真の誕生によって、すべてでなくともそのいくつかの部分を担うようになっていきました。そのため、写真の誕生以降、画家は何を主題にして描くべきかという時代に入っていくわけです。
そこで誕生したのが「印象派」です。詳しくは「絵画歴史のイノベーション その1」をご参考ください。
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