北倉洞(북창동)はタイムカプセル。
今回ステイしたソウル中区の北倉洞(북창동:プッチャンドン)。場所的にはソウル市庁舎の前にプラザホテルという大きなホテルがあるが、その裏側から南大門市場の手前までのブロック。30年前にここに泊まったことがあるが、その時はおねぇさんの出てくるお店の客引きがわんさかいて、それはそれは怪しさ満載の地域だった。
30年の時を経て、このあたりでは再開発されていない地区の一つで、古くからやっている飲食店が多く、価格も若干だが安め。どちらかというとそういう老舗がけん引するグルメエリアとなっていた。タットリタンやフグ料理、ビビンバなどここで長くやっているお店もあれば、江南のソンヌン駅近くに本店があるスンデクッパの店の支店があったりする。
メニューによっては一人ではなかなか入りずらいものもあるが、一度はこの地域で食べてみたいと思ったので、いけそうなお店を探してみる。
ビジュアルが90年代を彷彿とさせる趣のお店があった。
北倉洞チョングッジャン。細い路地の中ほどにあったお店。チョングッジャンとは平たく言うと納豆チゲ。こういうメニューはこういった食堂で食べるのが正解だと思う。
いざ入店。
中は狭いが2階にもテーブルがあり、2階に案内された。1人で切り盛りしているらしく階段を上る途中で「なんにしますか~?」と聞かれたので「チョングッジャンくださーい」と注文した。
到着。納豆チゲなのだが、実はビビンバの要素が強い。写真の目玉焼きがある皿の中には葉野菜が入っている。そこにご飯とその他のおかずを投入してコチュジャンとごま油で味を調えつつ、納豆チゲもかけながら食べる料理だ。
いやぁ。おいしい。特に肉や魚があるわけでもなく、ほぼ野菜でできている。それでもこんなにいい味を出しているし、おなかも満足だ。
だんだんこういった料理を出すお店が見つけづらくなってきたような気もするが、韓国料理のすばらしさはこういった料理にこそ真髄があるような気もする。
今回ステイした北倉洞は30年という時を経てタイムカプセルのような地域になっていた。今度は何人かで行きたいところだ。
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