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Ten Years After / Ssssh
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1960年代後半、イギリスのブルース・ロック系のバンドは、後のハードロックの礎を築くことになる。『Ssssh / 夜明けのない朝』はそんな過度期・移行期を代表する一枚。
未だブルースやR&Bの大気圏内で活動していたテン・イヤーズ・アフターの特徴は、アルヴィン・リーの超高速・早弾きピッキング。圧倒的なギターテクニックでギブソンES-335から放たれるアドリブは、当時のギター小僧にとって神業に近いものだった。
短期間だったが、テン・イヤーズ・アフターの人気を決定づけたのは、このアルバムと映画「ウッドストック・フェスティバル」に収められた彼らの代表曲《I'm Going Home》の熱演だろう。
バンド名の由来は「バンドが10年後も存続しているように」という”願掛け”からだが、バンドは1974年に一旦解散する。ブルースロックやハードロックの隆盛期も終わり、器用に音楽スタイルを変えることもできず、バンドとしての使命?を終えた後の”燃え尽き症候群的解散”だったのかもしれない。
このアルバムはそんな彼らの最後の輝きのように思える。全8曲の中、カバー曲は初代サニー・ボーイ・ウィリアムスンの看板曲《Good Morning Little Schoolgirl》のみ。以外の楽曲は全てアルヴィン・リー作。
熱のこもったブリティッシュ・ブルース・ロックの最後の輝きが、今では少し切なくも感じられる。