James Gang / Rides Again
2001年3月12日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
ジェイムス・ギャングは名ギタリスト、ジョー・ウォルシュが率いたスリーピース・バンド。
バンド名は南北戦争後に暴れ回った強盗団「ジェイムズ=ヤンガー・ギャング」が由来らしい。
スリーピース・バンドは、読んで字の如く3人編成だから、しっかりとした演奏力や楽曲構成力が伴わなければならない。例えばクリームやジミ・ヘンドリックス エクスペリエンス、ポリスのように。
ジェイムス・ギャングも十分実力を備えたスリーピース・バンドで、カテゴリー的には“アメリカン・ハードロック”に分類さているようだが、単なるハードロックだけではなく、このアルバムには《Funk#49》のようなファンク臭の漂う曲や、途中にモーリス・ラベルの「ボレロ」を挟む《Bomber: Closet Queen / Bolero / Cast Your Fate》のような、捻りの効いた曲も収録されている。
印象としては、かなり知能犯・確信犯的なハードロック系バンドだと思う。ジェイムス・ギャングがザ・フーの前座を務めた際、ピート・タウンゼントが感銘を受けたのも理解できる。
また白地に黒のタイポグラフィだけのシンプルで洒落たジャケット・デザインなんかも、連中が並みのハードロック系のバンドではないことを暗示している。
しかしこの手の頭でっかち(?)バンドが大きな成功を収めるのは難しい。
同時期にキャピトル・レコードが大枚を叩き、大々的に売り出した、ジェイムス・ギャングと同じスリーピース・バンド、グランド・ファンク・レイルロードが、そのシンプルで分かり易いロックで、当時のシーンを席巻していたのも影響したのか、ジェイムス・ギャングはそれ程ブレイクしなかった。
ジョー・ウォルシュは1972年にジェームズ・ギャングを去った後、別のバンドを結成したり、ソロ活動を行うが、1975年にイーグルスに加入することになる。
バンドの頭脳だったジョー・ウォルシュ脱退後、ジェイムス・ギャングは他のメンバーを補充するも、結局1977年に解散する。
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