Derek & The Dominos / Layla & Other Assorted Love Songs
2004年5月20日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
クリーム解散後にエリック・クラプトンが結成したスーパーバンド、ブラインド・フェイスが行なったアメリカ公演の際、前座を務めたのがデラニー&ボニー。そして彼らの音楽から強烈な影響を受けたエリック・クラプトンはブラインド・フェイスを半年足らずで解散した後、デラニー&ボニー&フレンズのツアーに参加する。
クリーム解散などにより、ミュージシャンとしての基礎体力(?)が低下し、自分の音楽スタイルに煮詰まっていた “迷える子羊状態” のクラプトンにとって、デラニー&ボニーが醸し出すアメリカ南部の匂いがプンプンするソウルフルなサウンドは、魅力的で、リアルな存在感を持つものだったのだろう。
このデラニー&ボニー・ショックの後、“アメリカ音楽コンプレックス” を解消するために、クラプトンが結成したバンドがデレク&ザ・ドミノスだ。
デラニー&ボニーから主要メンバーを引き抜き、プロデューサーから紹介されたデュアン・オールマンもゲストとして加わる。このギタリストもアメリカ南部の匂いをプンプン撒き散らす男だ。
駒は揃った。後はプレーだ。
この『いとしのレイラ』をエリック・クラプトンのアルバムと捉えると、面白さは半減する。これは「デレク&ザ・ドミノス フューチャリング デュアン・オールマン」のアルバムだ。
またこのアルバムはクラプトン谷間の時期の作品だと思うが、《Layla / いとしのレイラ》一曲のために、クラプトンの代表作のような扱いを受けているのも何となく妙だ。
関係ないが、このバンド名、本当は「デレク&ザ・ダイナマイツ」だったらしい。なんでも最初のコンサート時、MCが間違って「デレク&ザ・ドミノス」とアナウンスしたため、その後もこのバンド名で活躍していたらしい。