Johnny Winter / The Progressive Blues Experiment
2004年6月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
ブルースっぽいロック、ロックっぽいブルース。
これは1969年にCBSレコードと巨額の契約を交わす前、「100万ドルのギタリスト」の名で呼ばれるようになる前、殆ど無名時代のジョニー・ウインターがブルースとロックの境界線上でギターを弾きまくっていた時の作品で、テキサスのマイナー・レーベルで収録された。
この時点でジョニーのスタイルはもう既に出来上がっていた。
このアルバムは独立系マイナー・レーベルでの録音だけに、いささか安っぽい音作りだが、それが結果的に以外といい効果を生んでいるようだ。ちゃんとしたスタジオではなく、テキサスの或るクラブで、観客のいない状態で録音されたらしい。
ジョニーはギタリストとしては歌も上手い方で、妙な鼻声だが、それも魅力の一つだ。マイク・ブルームフィールドやエリック・クラプトンなど、それまではギター専門のブルース・プレーヤーが多かったが、ジョニーは弾いて歌えるブルース・プレーヤーなのだ。
そういえばジョニーと同じように弾いて歌えるスティーヴィー・レイ・ヴォーンもジョニーと同郷のテキサス出身だ。
CBSレコードでのファースト・アルバム『Johnny Winter / ジョニー・ウインター』はブルース・テイストに溢れていたが、『Johnny Winter And / ジョニー・ウインター・アンド』からはロック色がぐっと強くなる。
ブルースとロックの狭間で自分の音楽性に悩んだのか、また急に巨額の契約金が入って自分を失ったのか、その後、ジョニーはドラッグ中毒に陥ってしまった。
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