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スペインのバーで小僧と呼ばれたことがある

2000年9月2日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。
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スペインにいた頃、まだ若かった。

ただでさえ日本人(アジア系)は歳より若く見られる。

或る日、街中をぶらぶらしていると喉が乾いたので、ビールかワインでも一杯飲もうとバルに入り、カウンターの前に立った。

すると年配のバーテンダーに「¿ Que quieres, chaval ?」 (スペイン語では疑問文の場合、最初に180度回転した?マークが付く)、日本語に訳すと 「何が欲しい、小僧 ?」 ってな具合に尋ねられた事がある。

「¿ Que quieres, joven ? / 何が欲しい、若いの?」 ぐらいの言われ方なら慣れていたが、「chaval / 小僧」扱いには少しムカっときた。

当時は若かったのでそう感じたのだろう。

しかし「小僧」は憎めなく、愛嬌があって、懐かしくていい言葉だなぁ、と最近感じている。歳をとると言葉の感覚も変わるのかもしれない。

バルのバーテンダーもそんな感じで言ったのかも知れない。

「小僧」という言葉が似合うプロレスラーは山本小鉄と星野勘太郎だ。二人共もう引退してしまったレスラーだが、現役時代は名タッグチームを結成していて、その名も「ヤマハ・ブラザーズ / The Yamaha Brothers」。山本小鉄も星野勘太郎も体は小さかったが、玉砕覚悟の突貫ファイトは、まさに「小僧」という雰囲気がピッタリだった。

小僧、やるじゃね~か!

そんな言葉が出てくる程、ロックン・ロール「小僧」、リック・デリンジャーの《Rock And Roll, Hoochie Koo / ロックン・ロール・フーチー・クー》はカッコいい曲だ。

「小僧」呼ばわりするのはリックに対して実に失礼だが、ルックスは完全にベビー・フェイスだし、ちょっと頼り無く見えるところが「小僧」っぽい。

しかし、リックは100%頼りになる、筋金入りのロックン・ローラーだ。

名脇役的なプレイヤーで、ジョニー・ウインターや弟のエドガー・ウインターとも一緒にプレーしていた。私の好きなアルバム『ジョニー・ウインター・アンド』ではジョニー版の《Rock And Roll, Hoochie Koo / ロックン・ロール・フーチー・クー》が聴ける。

もし私が定年後にロック・バンドを結成し、養老院や介護施設の慰問ツアーを実施するなら、アンコールの決め曲は絶対に《ロックン・ロール・フーチー・クー》だ。

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