![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51246105/rectangle_large_type_2_ee5bc0c7eb6492b9cbeb5ee8e17870d5.png?width=1200)
Booker Little / Booker Little
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51246190/picture_pc_f7f09e5345bbe402846bdc38eb8600dc.jpg)
クリフォード・ブラウンは1956年6月に25歳で交通事故死。ブッカー・リトルは1961年10月に23歳で尿毒症の合併症により病死。そしてリー・モーガンは1972年2月に33歳で射殺される。
マイルス・デイヴィスの背後を追走していた有望な三人のトランペッターは呆気なく急死してしまった。もし彼らが生きていたら、トランペッターの勢力図はかなり異なったものになっていたかもしれない。
短いミュージシャン人生で、ブッカー・リトルはリーダー作を4枚だけ残した。いずれも貴重な録音ではあるが、その中でも天才リトルのトランペットを聴くなら、トミー・フラナガン(ピアノ)、スコット・ラファロ(ベース)、ロイ・ヘインズ(ドラム)の三人と組んだカルテット編成の『Booker Little / ブッカー・リトル』がベストだと思う。
理由は簡単。他の三作はサックスを含んだクインテット編成だから。サックス無しの『Booker Little / ブッカー・リトル』では、蒼く静かに燃え上がるようなリトルのクリアなトランペットをたっぷり聴くことができる。またバックをサポートするメンバーも、当時としてはほぼベストな布陣だ。
微かな哀愁の漂うメロディアスな曲の連続で、このアルバムはブッカー・リトル”青の時代”の作品とでも呼べるかもしれない。そこからは不思議なほど黒っぽい匂いが感じられず、知的でスマートな雰囲気が漂っている。
アルバムに納められた6曲は全てブッカー・リトルのオリジナル曲。作曲の才能も開花した時期だと思われるだけに、急逝が惜しまれてならない。
話は逸れるが、このアルバムに参加しているもう一人の天才、ベースのスコット・ラファロも、奇しくもブッカー・リトルと同じ1961年に交通事故に遭い、他界している。その時ラファロはまだ25歳だった。