Living Colour / Vivid
ピクシーズやニルヴァーナなど、初期のオルタナ系やグランジ系のバンドが結成された頃に『Vivid / ヴィヴィッド』はリリースされた。
抜群のテクニックを備えた黒人ミュージシャン達が、パンクやファンク、ヒップホップなど、あらゆる音楽のフィルターを通してハード・ロックを演奏すると、こんなアルバムが出来上がるのだろう。これは80年代後半のロック・シーンを代表する一枚だと思う。
名刀のような鋭い切り口で、ザックザック、ギターリフを刻むヴァーノン・リードが率いるリヴィング・カラーの音楽は重厚な“ブラック・ハード・ロック”。当時「黒いレッド・ツェッペリン」と評されたぐらいだ。
リードが中心となり、NYで1985年に「Black Rock Coalition / ブラック・ロック・コーリション」が設立された。その使命は“黒人が生んだロックを黒人のために発展させる”もので、主張は“ロックは黒人のもの”。白人から“黒人文化遺産(?)”を取り戻す為、リヴィング・カラーは故意に、ブルースやジャズではなく、白人っぽいパンクやヘヴィメタル、オルタナ系のスタイルを取り入れているのかもしれない。
ヘヴィーでソリッド、そしてバンド名が示すようにカラフル。そんなイキのいいブラックロックが楽しめる。
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