Joy Division / Unknown Pleasures
2004年6月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
マンチェスター出身のこのバンドは瞬間冷凍庫だ。
寒々と荒涼としたイギリス北部の厳しい冬のような音を作り出す。そして暗くて陰気で殺伐としている。
ポストパンクのゴシック系のバンドはあまり好んで聴かないが、このジョイ・ディヴィジョンのファースト・アルバムは特別で、時々思い出したように聴きたくなる。
バンドのカラーを打ち出すイアン・カーティスのヴォーカルはクリアで張りのある美声だが、メランコリックで重く沈み、バンドの演奏は荒削りなところがなく、テクノ風だが、シンプルでタイト。
残響を残した中で、この二つが見事に融合し、ジョイ・ディヴィジョンの救いの無い、陰鬱さと孤立感溢れるサウンドが生まれる。
彼らの音は更に暗さと重さを増し、次作の『Closer / クローサー』でその頂点を極める。
『Closer / クローサー』収録後、持病の癲癇と鬱病に苦しんでいたイアン・カーティスはアルバムのリリース前に自宅で首を吊り自殺。バンドは活動停止を余儀なくされる。
結局、残されたメンバーは、音楽活動を継続することを決め、バンド名をニュー・オーダーとし再出発を果たす。
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