Joni Mitchell / Hejira
このアルバムの1曲目《Coyote》が流れると、ひんやりとした新鮮な空気が部屋中に吹き込んでくるような感じがする。
ジョニ・ミッチェルのサウンドにはクールな気品が溢れている。
60年代半ばからフォーク系のシンガーソングライターとして活動を始め、《青春の光と影》、《サークル・ゲーム》、《ウッドストック》など、多数の名曲を残した。
その後はロックやジャズの要素を取り入れながら、ジョニは『Court and Spark / コート・アンド・スパーク』を74年にリリースする。この辺りからフュージョン系のジャズミュージシャンを起用し、独自のスタイルを確立したのが『Hejira / 逃避行』だ。
このアルバムではジョニの落ち着いた歌声とアコーステック・ギター(抜群に巧い!)に茫洋として叙情的なジャコ・パストリアスのベースが羽根布団のように重なり、絡まり、溶け合う。
自信過剰な性格の問題児(?)ジャコ・パストリアスを一番上手く使いこなしたのもジョニではないだろうか?『Hejira / 逃避行』や『Don Juan's Reckless Daughter / ドンファンのじゃじゃ馬娘』『Shadows And Light / シャドウズ・アンド・ライト』で聴くことのできるジャコのベースはお見事の一言。
ジョニが自分自身でデザインしたモノクロ風のジャケットも素晴らしい出来で、ビジュアル的にこのアルバムの雰囲気を見事に表している。
ジョニ・ミッチェルはまったくもって才女なのだ。
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