Grand Funk Railroad / Live Album
2004年5月30日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
1971年、或る夏の暑い日の夜の出来事。
今は無い後楽園球場か大阪球場で雨に打たれて、雷音の下でグランド・ファンク・レイルロードのライブを聴いた人の頭の中では、何時までもマーク・ファーナーが歌う《Heartbreaker》が鳴り響いているだろう。
忘れられない青春の風景。
忘れられない青春のバンド。
忘れられない青春のアルバム。
と言う訳で、ある年齢層の人にとってはグランド・ファンク・レイルロードこそが青春の思い出バンドであり、このアルバムこそが青春の思い出アルバムであり、《Heartbreaker》こそが青春の思い出の一曲なのだ。
しかし、しかしである。
このバンドはアメリカの大手レーベル、キャピトル・レコードが緻密なマーケティングとプラニング(大袈裟か?)から生みだした超資本主義的バンドなのだ。
ニューヨークのタイムズ・スクェアにマーク・ファーナー、メル・サッチャー、そしてドン・ブリューワーの三人の巨大な看板を設置したり、いやはやその売り込み方はアメリカ的で実に凄まじかった。
しかし、しかしである。
こんなストレートど真ん中の剛速球しか投げられない、あまりにも資本主義まみれで愚直なハード・ロックバンドが私は大好きだ。