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Black Sabbath / Paranoid
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2004年5月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
ロックにオカルト・黒魔術を結びつけたブラック・サバスの第2作目。
今でこそオカルト・黒魔術風のイメージで売り出しているロック・バンドは掃いて捨てるほど沢山いるが、ブラック・サバスがデビューした当時、オカルト・黒魔術風のイメージで売り出していたバンドは無く、それは未だ隙間コンセプトだった。
だからオカルト・黒魔術をギミックとして選んだブラック・サバスのマーケティング的なセンスには恐れ入る。いいところに目を付けたものだ。
デビュー・アルバム『黒い安息日』にはオカルト・テイストとブルース&ハードロック・テイストがみっちり濃縮されている。全体的にかなり重たくて、救いが無い暗さに支配された、なかなか出来のいいアルバムで、私も結構好きだ。しかしここではノリのいい2作目の『パラノイド』を僅差で選ぶことにした。
おどろおどろしいサウンドも未だ残っているが《Paranoid》みたいなキャッチーな曲も多い。名曲《War Pigs》やプロレスラーの入場曲でも有名な《Iron Man》も入っている。それに我が愛すべきジェスロ・タル出身のトミー・アイオミのギターもなかなかだ。
オカルト・黒魔術風味にハード・ロック風味を混合させることで、ブラック・サバスはその後に雨後の竹の子の様に出現するヘヴィ・メタル系サウンドの礎を作った。そしてハード・ロックはブルース的音楽世界の大気圏を飛び出し、別のスタイルに変容した。
だがオカルト・黒魔術という方向性は正しかったのだろうか? 隠し味にはいいかもしれないが、この手のイメージを全面に出せば出す程、音楽はちゃちっぽく、子供だまし風に感じられる。B級ホラー音楽とでも言うべきか・・・。
ギミックを上手に維持するのは結構大変だ。
And More...
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