Egberto Gismonti / Danca Das Cabecas
2004年8月30日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
高温多湿でむせ返るような鬱蒼とした森の中。
上空を見上げてみても、木々の間から青い空が所々見えるだけ。
開けた空間に出てみると、そこには白昼の太陽がギラギラ輝いている。
そんなアマゾンの密林に迷い込んだら、何処からかこのアルバムの音楽が流れてきそうだ。
ブラジル・リオデジャネイロ州の田舎町カルモに生まれたエグベルト・ジスモンチは幼少期からクラシック・ピアノやフルートを習い、20歳頃にパリへ渡り、Nadia Boulanger / ナディア・ブーランジェ(1887~1979)からオーケストレーションと楽曲分析を学んだ。
しかしそこで自分のルーツであるブラジル音楽の重要性を再認識すると、ジスモンチは帰国後、アマゾンの密林に住むインディオと生活を共にし、自分の音楽のバックボーンを形成する。
だからエグベルト・ジスモンチが描き出すのはブラジルの音だが、それはサンバやボサ・ノヴァのように都会化された洒落た音ではない。このアルバム『Danca Das Cabecas / 輝く水』には未だ文明化されていないプリミティブな音の響きが溢れている。
エグベルト・ジスモンチが抜群のテクニックで操る変則8弦ギターやフルートとナナ・ヴァスコンセロスの打楽器が絡み合い、そこから生まれる土着的な高揚感がたまらない。
箸休めに出てくるちょっとメロウなピアノ・ソロも良し。
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