Byrds, the / Younger Than Yesterday
2004年5月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
バーズはロック史の中で重要な時期に表れ、他のミュージシャンに多大な影響を与えた。
デビュー当時、バーズはビートルズ的なものとボブ・ディラン的なものとの融合、つまりフォーク・ロックというスタイルの確立を目指した。ボブ・ディランの 《Mr. Tambourine Man》に12弦ギターを使ったフォーク・ロック風のアレンジを施し、バーズは65年にデビューする。そしてこの曲はいきなり全米ヒットチャートのナンバー1に輝いた。
本作を選んだ理由はアルバム・タイトルがあまりにもカッコいいから。“昨日よりも若く” なんてタイトルはあの時代にしか通じないだろう。
タイトルだけではなく、本業の音楽も当然カッコいい。
このアルバムにはボブ・ディランの名曲《My Back Pages》などが収録されていて、時期的にはバーズ中期、サイケデリック・ロック全盛期の作品とも言える。前作の『Fifth Dimension / 霧の5次元』も素晴らしいが、アルバムとしては本作の方が全体としてまとまっているような気がする。
バーズ後期の『The Notorious Byrd Brothers / 名うてのバード兄弟』、『Sweetheart of the Rodeo / ロデオの恋人』なんかも良い出来だが、バーズの中期を代表する本作では、メンバー各自のバランスが未だ成立している。そしてバーズはこれから少しずつカントリー・ロック化し、分裂するが、最後には滅茶苦茶ノリのいいロックバンドに変身し、 最後っ屁のような超名作
『Untitled / (タイトルのないアルバム)』を1970年に残し、そして衰退し、遂には解散してしまう。
バーズの主要メンバーの一人だったデヴィッド・クロスビーはバッファロー・スプリングフィールドのメンバーらと共に、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングを結成する。彼らの美しいハーモニーはハード・ロックに疲れていた70年代に大ブレイクする。
バーズはウエスト・コースト・サウンドの礎を築いたバンドともいえる。
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