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Ride / Nowhere
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2004年7月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
切なく美しいメロディに、エフェクトの効いた轟音ギターのリフが絡むと、逆説的だが、儚げで耽美的ななサウンドが生まれる時がある。
オックスフォード出身の若造たちが、バーズ風のフォークロックサウンドをシューゲイザー風にアレンジしたら、そんなアルバムが仕上がった。
シューゲイザー:音楽的特徴
フィードバック・ノイズやエフェクターなどを複雑に用いた深いディストーションをかけたギターサウンド、ミニマルなリフの繰り返し、ポップで甘いメロディーを際立たせた浮遊感のあるサウンド、囁くように歌い上げるボーカルなどがシューゲイザーの一般的特徴として挙げられる。
シューゲイザーには1960年代後半に流行したサイケデリック・ロックのリバイバル、あるいは新解釈という面があり、オルタナティヴ・ロックの1ジャンルと捉えられている。
このアルバム『Nowhere / ノーホエア』やコンピレーション・アルバム『Smile / スマイル』に収録されている《Like a Daydream》と《Chelsea Girl》を毎日飽きずに聴いていた時期があった。
今でもライドの歪んだノイジーな音が無性に聴きたくなる時がある。彼らの音のなかに潜り込みたくなる時がある。蒼く沈んだ轟音の中で、静寂の一時を過ごしたく思う時がある。
私にとって、彼らの繊細な爆音ロックは、癒し系の環境音楽なのかもしれない。
And More...
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