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棲家の遍歴・その14 / 大阪府豊中市 / 間取リックス&住マップ

2010年8月21日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================

間取リックス:
大阪府豊中市庄内栄町のマンション

豊中市-02・間取り

築10年程度の、それほど古くないマンションの3階。

1992年11月から1994年12月まで、このマンションに住んでいた。

結婚やその他の事情で、長い海外生活にピリオドを打ち、日本に戻ることになった。

日本に持ち帰ったのは、少しの本と少しのCD、そして少しの衣服類だけ。大した荷物は無かった。それに住むのは私と嫁サンの二人だけだし、これぐらいの広さのマンションで十分だった。広いマンションの家賃を払えるだけの経済的余裕が無かったのも事実だが。

フランスに住んでいた頃、私は700枚ほどLPレコードを持っていた。日本に帰る直前、大学生時代からの悪友、Eric V に私が持っていたLPレコードを全て “永久レンタル” として貸出した。日本に無理して持って帰っても、収納場所に苦労するのは目に見えていたし、既にCDの時代だったこともあり、700枚ほどのLPレコードを悪友に託してきたわけだ。

この程度の部屋を借りるのが関の山のサラリーでは、約700枚ものLPレコードをちゃんと保管し、維持するのはちょっと無理だろう。

あのレコードだけでも持って帰ればよかった・・・。今思えば残念だが、仕方がない。

日本に戻り、ちょっと戸惑ったのは洗面台や台所の位置が僅かに低いこと。手や顔を出す高さや角度が微妙に違うので、少し前かがみ気味になり、一瞬バランスを崩しそうだった。

それと天上高が低いのも気になった。なんとなく圧迫感があり、重苦しく感じられた。

こういう違いにはすぐに慣れたが、最初の間はなんとなく妙な感じだった。

人間の体とは保守的でもあるが、すぐに順応するものでもあるようだ。

ちなみに私の身長は170cm程度。並みのサイズだ。

住マップ:
大阪府豊中市庄内栄町2丁目5-14

庄内に住むのはこれで二度目。小中学時代には西町に住んでいたが、今回は栄町に住むことになった。

パリから大阪に戻り、さて何処に住むか?と考えると、
(1)大阪市内に近いところ。
(2)駅まで徒歩10分内のところ。
(3)物価の安いところ。
(4)土地カンのあるところ。
以上の条件が浮かんできた。

庄内駅までマンションから徒歩約10分。阪急宝塚線で梅田駅(JR大阪駅横)まで4駅 / 約10分。

市内に近くて便利だが、この辺りは下町だけに物価は安い。駅前の豊南市場は激安・大量販売で有名な市場だ。以前に住んでいたので、ある程度は土地カンもある。そんな訳で、再び庄内エリアに住むことになった。

この辺りは下町の猥雑な雰囲気を未だに色濃く残している。

沢山あったのはお好み焼き屋( “せんば” は贔屓にしていた)やたこ焼き屋だけではない。銭湯も沢山あった。

私が住んでいた当時、マンションから徒歩15分圏内のところに、島田温泉、播磨温泉、野田温泉、富士温泉、さくら湯、重の井温泉、スーパー銭湯五色などがあった。

内風呂のない木造モルタル2階建ての “文化住宅” と呼ばれる建物が数多く残っていたエリアだからこそ、これほど多くの銭湯が残っていたのだろう。

夕方、洗面器とタオルを持ち、パジャマ姿で銭湯に通うオッサン、オバハン連中をよく街中で見かけた。

北新地(梅田駅、JR大阪駅の南側にある高級飲食店街)へのアクセスも良いので、庄内には北新地のバーやクラブにお勤めするホステスさんもかなり住んでいた。

19時頃、駅から帰宅する途中、これから夜のお勤めに出かける、ちょっと艶やかなオネエサンたちと駅前商店街でよくすれ違ったものだ。

また第一線を退いたオネエサンのお店と思われる、怪しげなスナックもあったが、残念ながら訪れる機会がなく、未開拓のまま引越してしまった。


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