Blood Sweat & Tears / Blood Sweat & Tears
2004年5月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
グループの創設者であるアル・クーパーが出て行った後、仕切りなおしで再出発したブラッド・スウェット&ティアーズの2作目。
アル・クーパーはブルース・プロジェクト時代の仲間だったギタリストのスティーブ・カッツと共に、ブラス・ロック・グループを結成を計画する。
アル・クーパーが目指したのは、ビッグ・バンド・スタイルのジャズとロックやブルース、クラシックを融合させたようなサウンドを持つバンドだった。具体的に言えば、 ドン・エリスの率いるビッグ・バンドのようなサウンドを目指したのだろう。
そんな方向性から生まれたのがファースト・アルバムである『子供は人類の父である』。そこにはジャズあり、クラシックあり、ソウルあり、ロックありで、当時としてはかなり新しい実験的なスタイルだった。
しかしアレンジ重視で、ホーン・セクションを立たせた、ジャージーなサウンドを目指すメンバーたちとアル・クーパーの方法論はぶつかり、結局アルはバンドを去ることになる。
だからブラッド・スウェット&ティアーズの本格的なデビュー・アルバムはアル・クーパー離脱後に収録された、本作とも言える。
サウンドはなかなか繊細で、70年代中盤から流行りだしたアダルト・オリエンテッド・ロックの先駆け的なアルバムとも言える。だからこれはガキが聴くアルバムではなく、そういう意味ではあまりロックっぽくないのは確かだ。同時代に活躍したブラス・ロック・バンド、シカゴと比べてみても、ブラッド・スウェッ ト&ティアーズの方がずっと大人っぽい。
ブラッド・スウェット&ティアーズとシカゴは同じCBSレコードに所属し、プロデューサーも同じジェームス・ウィリアム・ガルシオ。まぁ、二つのバンドは兄弟みたいなものだったのだろう。
デヴィッド・クレイトン・トーマス作の《Spinning Wheel》は名曲だ。
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