Midnight Oil / Diesel And Dust
2004年6月20日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
オーストラリアは、イギリスが本国の極悪人たちを島流しにするための、流刑植民地だった。
これはそんな歴史の国が産み落とした、インテリ派ロック・バンド、ミッドナイト・オイルの代表作と言っていいだろう。
このバンドが活動を開始したのは70年代前半。当初はハードロック〜パンクロック系のバンドだったが、このアルバムで聴こえるのは、ロック本来の荒々しさにポストパンク的ニューウェイヴ風味を加えた、骨太でありながらも繊細なサウンドだ。
極悪人たちの子孫が、かつての宗主国・イギリスの連中に、時にはストレートでタフなサウンドに、時にはキャッチーでクールなサウンドに、社会的なメッセージの乗せて、ロックでガチンコ勝負を挑む。う~ん、愉快。
《Beds Are Burning》や《The Dead Heart》、《Sell My Soul》など佳曲揃いで、南半球から生まれた最良のロック・アルバムの一枚だと思う。
しかしながら、唯一気に食わないのは、スキンヘッドのヴォーカル、ピーター・ギャレットが世界的な反捕鯨主義者であること。私は鯨肉が大好きだから。
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