練習時間について
休日。午前の部活を終えた中学生たちが練習にやってきました。
部活の後に練習して身体は大丈夫かな?と心配になりますが、この後さらに夜練に行くとのこと。
これはさすがに練習しすぎだろうと思い、軽いメニューに変更して練習を行うことにしました。
中学生年代であれば1時間30分から2時間の練習で十分だと思っていますが、それでは足りないと感じる人も多いようです。
それぞれの置かれている環境が違うので、練習時間に正解など無いことは十分に理解していますが、時間ができた今、少し調べてみることにしました。
スポーツ庁運動部活動のガイドライン
スポーツ庁が策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では次のように示されています。
①週当たり2日以上の休日を設けること(平日1日、週末1日)
②1日の活動時間は、長くても平日2時間程度、週末3時間程度
この基準は、外傷・障害に関する研究結果が反映されているようです。
・活動時間が週16時間以上になると外傷・障害のリスクが高まる
・週の活動時間が「年齢✕1時間」を超えると障害発生の可能性が高まる
部活の時間が減少傾向にあるのは、教員の負担を減らす目的もあるのでしょうが、成長期の子供の身体を守る役割も果たしていることを理解しておく必要があります。
JBA
JBAホームページに「中学校部活動におけるバスケットボール指導の手引」という資料がありました。
予想していたとおり、「◯時間練習することが望ましい」といった記載はありませんでしたが、ここでも練習時間と怪我の関連について触れられていました。
・週の練習時間が1時間増える事で骨格筋の痛みが出る確率が3%上がる
・生徒の40%は週に21.8時間スポーツをした時に痛みがある
週に21時間もスポーツをしている子がどの程度いるのか不明ですが、怪我のリスクについては認識しておきたいところです。
海外(ヨーロッパ)
ありがたいことにヨーロッパの育成年代の練習環境についてまとめられたホームページがありました。
このページによると、多くのクラブが週に3回〜5回練習をしていて、1回当たりの練習時間は1時間〜1時間30分のようです。
ただし、個別のワークアウトやトレーニングの時間が含まれていない可能性があるので全部を鵜呑みにしない方がいいのかなと思います。
また、ヨーロッパのクラブは年代別に細かくカテゴリーがあるので、1回の練習時間を短くしないと練習が回らないのかなとも思いました。
興味深かったのは、あのリッキー・ルビオが人生で初めて入会したというアル・マズノウというクラブ(アマチュアクラブ)の記事です。
このクラブでは週3回、1回当たり1時間〜1時間30分の練習が行われていたようです。
稀なケースなのかもしれませんが、決して恵まれた環境でなくても天才は生まれるようです。
海外(アルゼンチン)
東京オリンピックの男子日本代表監督を務めたフリオ・ラマスの出身国ということもあり、少し身近に感じられるようになったアルゼンチンです。
あのジノビリを生んだ国としてのイメージの方が強いでしょうか?
JBAの技術委員長を務める東野智弥さんの論文「男子アルゼンチンバスケットボールの強化・育成に関する研究」に選手に対してのアンケート結果がありました。
それによると、中学生は週に3回〜5回練習をしていて、時間は1時間〜2時間未満、2時間〜3時間未満の割合が多いようです。
ヨーロッパと比べて練習時間が少し多いように感じました。
ジノビリがどんな練習をしていたのかとても気になります。
海外(アメリカ)
庭にリングがあって、公園で気軽にピックアップゲームができて・・・という勝手な想像です。
日本とは環境が違いすぎるし、アメリカの中でも環境によって差が大きいのだろうと思い調べるのはやめました。
ただ、シーズン毎に異なるスポーツをしているイメージがあったのですが、少しずつ変化があるようです。
まとめ
調べてみた結果、一般的な部活の練習時間は、それほど少ないわけではなさそうです。
しかし、練習時間が少ないと考える人(大人)がいるのは、次のような原因があるのではないでしょうか?
・自分の学生時代と比べて練習時間が少ない
・小学生の時の少年団・クラブの方が練習時間が多かった
・試合で結果が出ないのは練習時間の少なさのせいだ
今の部活の練習時間には、子供の身体を守るというメッセージがあることを理解して、限られた練習時間を有効に使うことが大切だと思います。
バスケは決められた時間を超えてプレーすることができないスポーツです。
その本質から外れないように練習していきたいものです。