アート系CTOが語る・起業して意識してきたこと
わたしは2009年に2人で起業し、13年を経て現在は60人の会社を経営しているのですが今回は起業してからこれまでに意識してきたことについてお話したいと思います。
2009年に南青山の起業化支援オフィスの一画を借りて代表とわたしはBtoB企業のデジタルコミュニケーションを支援するイントリックスという会社を起ち上げました。
https://www.intrix.co.jp/portfolio/
起業してから最初の2年間、特にわたしが意識したのは「代表が今やるべき仕事に如何に集中させるか」でした。大変ありがたいことに起業時点で大口のお客さまがついて下さったので、この時期はわたしの方で稼いで代表の方は新規顧客開拓に専念してもらうことを意識していました。
起ち上げ時にそれぞれの役割に集中できた甲斐もあって新規顧客開拓が進み、オフィスも移転して社員数も順調に増えてきた第一次成長期ともいえる時期は色々な話が舞い込むようになってきました。これは“仕事あるある”だと思いますが、良い流れの時は良い話が集中して舞い込みとても多忙になりますよね。ところが、悩ましいことにこういった良い流れは都合よく分散はしてくれないんですね。
わたしの経験上、良い流れの時に少しでも気を緩めてしまうと、後々必ずと言ってよいほど後悔することになるので、どんな状態であっても悔いが残らないように仕事をやり切ることを意識しています。
改めて振り返ってみると、会社の成長・社員の成長につながった象徴的な案件やお客さまとの出会いは、色々と仕事が集中した時期に妥協せずにやり切ったことがご縁になっていると感じています。
ビジネスの規模が大きくなり、関与するお客さま、社員、パートナーの数が増えるとともにコミュニケーションの取り方も重要度が増してきます。この時期に心がけていたのは自分のことは出来るだけ後回しにすることと、感情をコントールしたコミュニケーションを常にとることでした。
特に大型案件では多くの関係者が絡み、利害関係も複雑になるのでちょっとしたコミュニケーションの取り方の巧拙が思わぬトラブルにつながります。重要な局面ではお互いに感情的になる場面も多々出てくるので、感情がネガティブになりやすい夜の時間帯には重要なコミュニケーションは絶対に取らないなど今でも気をつけています。
あとコミュニケーション面では“常に柔和な表情で仕事をしている状態”をできるだけ意識しています。難しい表情や忙しいオーラを出していると社員が遠慮してしまい、相談したいことがあっても出来ずに後回しになり、そのことが後々思わぬ問題に発展してしまうこともありました。
「僕らは1秒でも難しい顔を社員の前では見せてはいけない」
当時、代表が言っていた言葉でとても印象的だった言葉です。
わたしなりに常に話しかけやすい雰囲気づくりを意識はしているものの、「厳しい表情をしていた」とか「疲れた表情をしていた」とか社員が気にかけてくれることもあるので、気を引き締めないといけないなと感じています。
最後になりますが、経営者自身の変化・進化が企業の成長や組織のモチベーション、モラルに直結するということは常々感じています。新たなことにチャレンジする姿勢や取り組むスピード感の「攻め」にあたる部分と、どのような価値提供をお客さま・社会にしていきたいのかをしっかりと伝える、再現性・持続性のある価値提供をする仕組みづくり、といった「守り」にあたる部分のバランスは常に意識していきたいと考えています。
皆さんも仕事をされてきた中でそれぞれのステージで強く意識されてきたことが多々あると思いますので、是非教えてください!