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無人島自給自足キャンプで野生に目覚めた話(前編)

皆さんは野生の本能に目覚めた時ってありますか?わたしの場合は20代後半の時にボーイスカウトで体験した「無人島自給自足キャンプ」がまさに自分自身の野生の本能を感じた体験でした。

今回は前編・後編に分けて“無人島自給自足キャンプ”の体験を振り返ってみたいと思います。

※写真は国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスを基に作成(https://mapps.gsi.go.jp/)

皆さんはボーイスカウトってご存じでしょうか?英国のベーデンパウエルという方が創始された野外活動を中心に子供たちの自発性を大切にした活動を行っている団体です。

わたしは母親のすすめもあって小学生の頃から活動に取り組んでいました。毎週末に色々な知識や技能を身につける訓練・研修があり、そこで得たものを年2回の数日間のキャンプや1泊2日のキャンプで実践するのですが、わたしは仲間とともにキャンプで過ごす時間がとても楽しく社会人になってからもリーダーとして活動を続けていました。

ある日、隣の地域の団(ボーイスカウトは地域・地区ごとに団という単位で活動する)のリーダーから「無人島自給自足キャンプを合同でやりたいと思っているんだけど、一緒にやりませんか?」という誘いを受けました。

ただでさえ楽しいキャンプに“無人島”と“自給自足”というそそるキーワード、わたしたちは2つ返事でOKし、最終的に3団合同で社会人・大学生を中心に17、8人の規模でやることになりました。

時期は8月で場所は愛知県蒲郡市の三河湾にある三河大島という島でした。この島は東浜と西浜があり、日中は東浜は海水浴場として一般に開放しているのですが、日没後は無人島になります。わたしたちは一般客があまり立ち寄らない西浜にキャンプを張り、3泊4日を過ごすことになりました。

初日の昼過ぎに島に到着するまでの間は、観光気分で皆それぞれこれから始まるキャンプへのわくわく感に満ちあふれていました。あの悪夢のような初日の晩ご飯を体験するまでは・・・。

島に到着し、テントを張り終わると晩ご飯のおかずを3つの班に分かれて“狩り”に出かけました。「山班」は野鳥や野草を担当、「貝班」は貝を担当、「釣り班」は魚を担当といった形で役割分担し、3~4時間を狩りに費やしました。

そして、わたしや皆の野生が目覚めるきっかけとなった悪夢のような晩ご飯を迎えます。

“自給自足”のルールとしては、ご飯とみそ汁(具なし)は用意をして“おかずは島で調達”というルールでした。わたしたちは完全にたかをくくっていました。「18人もいれば何とかなるだろう」と。これが大きな誤算でした。

結局、初日の収穫は魚数匹とバケツに少し集まった貝のみ。これを食べ盛りの10代・20代が多い18人でおかずとしてシェアするわけです。慣れない“狩り”での体力消耗と空腹感も相まってこれはかなり堪えました。

「このままでは明日から洒落にもならない!」。リーダー格だった40代の方とわたしが同じテントだったので、翌日からの作戦を夜一緒に練りました。

翌朝は5時に起床してカニ網を数か所に仕掛け、その後はひたすら釣りに打ち込みました。初日はレジャー感覚がまだ抜けきれない釣りでしたが、2日目からは完全に狩りモードに皆の目の色が変わっていました。

“昨日の晩ご飯のような思いはもうしたくない”。自分でもはっきりと違いが分かるくらい感覚が研ぎ澄まされていきました。昨日までのレジャー感覚での釣りでは感じなかった竿先から微妙に伝わる感覚に体がすぐに反応できるようになっていたのです。

こうして皆が狩りモードに入った結果、釣り班は目覚ましい進歩を遂げ同じくらいの時間で40匹くらいを釣り上げました

ほかの班も要領をつかんだのか、明らかに進歩していました。特に貝班は活躍しました。いい漁場を見つけたらしくバケツ3杯分くらいの貝をゲットし、2日目の食事は大分まともになってきました。ただ、3食分の量を確保するのはさすがに難しく、2食でしのぎました。

こうして2日目は何とかしのげるような土台ができ、精神的にも少し余裕が出てきて翌日からさらに収穫を得るための仕掛けや備えをするなどチームとしての一体感が生まれました。

今回は前編ということでここまでとしますが、3日目・4日目も“海の暴走族”に出くわしたり、最終日に驚愕のハプニングがあったりと色々な出来事が起こりました。こちらは後編としてお話ししたいと思います。

皆さんの中にも“野生に目覚めた経験”をお持ちの方がいらっしゃると思いますので、是非教えてください!

#無人島自給自足キャンプ体験記  #ボーイスカウト

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