単独トレイルランナーが道迷いを起こすときの心理状態
どうも。だいすけです!
今まで山を走っていて
こんな経験はありませんでしたか?
どこかで道を間違えたのかな?
間違ってる気がするけど
このまま進んでも大丈夫な気がする…
川の流れる音が聞こえるし…
今から来た道を戻るのも面倒だしな…

この考えをもった時点で
進むべき道を間違っています!!
目次
サンクコストバイアス
道迷いから遭難へ
対策として
道迷いと遭難のちがい
登山届の提出
まとめ
サンクコストバイアス
バイアスとは思考の癖。
サンクコストは
失ったものを取り戻そうとする心理。
つまり
もったいない精神です。
山で一体なにが
もったいなくて
とり返そうとするのかって?
それは
間違えた道を走ってきた時間。
それに
正規のルートまで戻る時間。

例えばパチンコで数万円を
つぎ込んだとします。
元が取れないと
有り金全部突っ込んじゃいますよね。
損したままで帰れるか!
俺の金返せよ!!
まさにこの人間心理と同じです。
すでに支払ってしまって
もう戻ってこない
費用・時間・労力。
サンクコストバイアスに
こだわりすぎると
正しい判断を下せなくなることが
多々あります。
どうしても自分が
今進んできた道が
正しいに決まっているんだと
信じたくなってしまうんです。

せっかくここまできたんだしな。
この「せっかく」って4文字も
あなたの行動に制限をかけます。
時間をかけると
かけた時間を
捨てることにつながる行動を
捨てることは
むずかしくなります。
そうなったとき
合理的な判断をくだせなくなり
まちがった道を
進んで行くことになるのです。
道迷いから遭難へ
単独行動は
集団に比べて自由な行動ができますが
迷った時に深みにはまりやすいです。
なぜなら
自分が間違えたことを
認めたくない心理も
同時に働いているからです。

自分に限って道に迷うはずないよな…
このまま進めば
ちゃんと下山できるはず…
アクシデントは他人事ではなく
自分事です。
とつぜん自分の身に
降ってくるのです。
危険をキケン、恐怖はキョウフ
として
受け入れられないと
無駄にあせることになります。
川に出ればなんとかなりそうだ!
人間の本能は水辺にいくと
飲み水を確保できると思って
安心します。

ルートが不確実なまま
沢を目指すのは
自殺行為だと覚えておきましょう。
沢を下っていくと
いずれ滝にでます。
滝を無理して下ろうとすると…
岩の表面は意外と
ヌメヌメです。
足を滑らせて滑落したら
行動不能におちいります。
救助ヘリが出たとしても
沢は木に隠れているので
小さな人間が
どこにいるのかなんて
上空からは全く見えません。

何日も見つけてもらえず
山では雨が降り
さっきまで穏やかだった沢が
数分間で濁流に。
動けないあなたは
一瞬で呑み込まれてしまうでしょう。
こんなとき
人間は本当にちっぽけです。
山で迷った時は
沢に降りてはいけません。

ドキュメント単独行遭難 (ヤマケイ文庫) [ 羽根田治 ]
対策として
現状を認めて
「さて、どう行動しようか」
その思考をもつことで
闇雲に動かなくなります。
無駄に体力を消耗させないことが
生き延びるのに大切です。
そして
かけた時間を
もったいないと思わず
かけてしまった時間的コストは
きっぱり諦めましょう。
来た道を戻ると
意外とすんなりと正規ルートに
戻れるものです。

そのときにはじめて
自分のまちがいに気付くことができ
経験につながるのです。
生きて日常の世界に帰るんです。
山の中でくたばってはいけません。
どんなに時間をかけても
結果がでなければ
意味がありません。
すっぱり諦めて
別の手段をかんがえる
勇気をもちましょう。
こだわりもプライドもいりません。
失敗を認められる
素直さが生死をわけるでしょう。
自分の行動を客観的にみて
冷静なアドバイスを
自分自身にあげれる
余裕をもっていれば
道に迷ってもこわくありません。
道迷いと遭難のちがい
自力で下山できなくなり
第三者の助けを借りて
下山することを
「遭難」といいます。

警察に捜索依頼が出され
救助隊が出動している状態です。
周囲を巻き込んだ
騒ぎになることは
間違いありません。
想定されるリスクは
時間さえかければ
解決できます。
ですが
絶対ではありません。
周囲もそれをわかっているから
大事をとった行動をとります。
結果オーライになることもあります。
判断の良し悪しを
一概に判断することは
できませんが
単独で山に入るのなら
最低限やっておきたいことが
あります。
登山届の提出
事故が起きたときに
はじめて意味をもちます。
トラブルなく
行動が遂行されれば
無用の紙切れになります。
つまり
役に立つかわからないが
万一のことを考えての
情報提供なのです。

事故発生後
すぐに遭難者の情報を得て
救助活動を速やかに
行ってもらうために
提出するのです。
具体的なコースを
知人・家族のだれにも
伝えていなかったら
山であなたが遭難してると
考えることができません。
もしもあなたが
山で滑落して
行動不能になっていたら…
そこが携帯の電波も届かない
異世界だったら…
滑落した衝撃で
右足を解放骨折してしまい
がんばってルートまで登ろうとするが
右足を地面につけるだけでも
激痛が全身にはしる。
行動不能・救助要請できない
そんな状況で救助を待つことが
できますか?
たまたま携帯が通じる
ばしょを発見できた。
とか
他の登山者がたまたま
通りかかった
とか
そんな淡い期待はできません。
我々トレイルランナーは
ハイカーが行くような
登山道が整備されている
観光地のようなルートを
通らないではありませんか。
のんびり誰の邪魔もせず
誰にも邪魔をされないから
わざわざ山を走りにいくのだから

ただでさえ人通りは少ないのです。
そんな状態でひとり寂しく
誰にも発見されないまま
誰にも言わなかったことを
後悔しながら死んでいく。
ドラマでも
フィクションでもなくて
リアルに起こる可能性が
十分にあるのです。
登山届を提出していれば
救助隊が出動してくれる
可能性があります。
家族に伝えていれば
何日も帰ってこないことに
不安を感じた家族が救助要請を
してくれるのです。
単独は自由です。
その代わりに
自分の命を守れるのは
自分以外の誰もいません。
登山届は個人情報のカタマリですから
紙媒体で提出するのに
抵抗がある方は
ウェブを
活用することもできます。
まとめ
単独行動のリスクは
認識できましたでしょうか?
ルートをうっかり間違えてしまうことは
誰にでもあります。
そのときの
あなたの思考と行動が
生死をきっぱりとわけます。

山に行くこと
行き先・ルートをメモに残して
信頼できる身近な人に
渡しておくと
いざというとき役に立つかもしれません。
やるべきリスクマネジメントを
してから山に入るだけで
あなたの大事な人を
悲しい気持ちに
させないことになります。
単独がもたらしてくれる
喜びを得るには
それ相応の対価を
支払う必要があります。
トレイルランニングとは
リスキーな状況になることが
想定できるスポーツです。
アクシデントが起きたときの
シミュレーションとして
最低でも
これだけは把握して
楽しんで頂ければと思います。
日の出・日没
登頂できなくても引き返せる判断力
引き返しを決定する条件
山に対する
敬意
恐れ
奉仕
の気持ちをもって
山に入りましょう。
お読みいただきありがとうございました。

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