すべては甲府のため
試合終了の笛とともに、ビジターのゴール裏から聞こえるため息とブーイング、怒号のようなものも聞こえただろうか。
ただただピッチを見つめることしかできなかった。視界が狭くなっていく心地がした。
これでリーグ戦3連敗。順位の近い藤枝とのいわば6ポイントマッチで勝ち点1すらも持ち帰れず、順位表の下から数えた方が早い順位になってしまった。
選手たちも頑張っている。監督もコーチも頑張っている。サポーターも頑張っている。
これは紛れのない事実である。
でも、非情なことに頑張っているだけではどうにもならないのがサッカーである。
メンタルだけでどうにかなるのがプロスポーツではない。
気持ちを見せろよ。
気持ちを見せて勝てたらどれだけ楽だろうか。
そんなことを頭の中で考えては、ネガティブに侵蝕されてしまいそうな頭を何とかポジティブ思考に持っていこうとする。
なんで勝てないのか。結果がついてこないのか。
それが分かったら誰も苦労しないし、それに最も真剣に向き合ってるのは監督たちや選手たちに違いない。
ピッチの上で起こっていること、チームの内部のことを我々サポーターは知ることはできない。
評論家気取りで、戦術に苦言を呈したところで所詮素人の独り言にしかならない。
ジャッジに対していくらフラストレーションを溜めようが、ツイートで苦言を呈そうが、ジャッジは覆らない。
ただ、我々は信じて応援することしか出来ないのだ。
ポジティブでいられるかよ!こんな状況!
勿論、それはごもっともな意見だと思う。愛ゆえの厳しさ、叱咤激励も大切である。
私自身も苦しい胸の内を仲間内で共有したり、自分の思いを伝えて話したりする。ネガティブになることもある。
ただ、その熱が、その愛が間違った方向に歪んでしまってはならないと思う。
藤枝戦後のゴール裏の居残りは賛否両論あったと思う。私自身は、賛成、否定どちらの立場でもないが、事実として言えるのは、あそこでサポーターに思いを伝えるために監督が責任を持って話し合いの場をも受けてくれたという事実。
そして、サポーターの思いを監督または選手たちに伝えることが出来たという事実である。
あの場で意見を言うのは勇気のいることだと思うし、発言した人の意見がサポの総意というわけではないが、
「勝ちたい」「甲府が大好き」
という思いはサポの総意と言ってもいいだろう。
だが、居残りにより藤枝MYFCの運営の方に迷惑をかけたということ、その行動をよく思わなかった方も一定数いることは事実として忘れてはいけないことである。
確かに、撤収時刻に間に合うようには終えていたように思うが、迷惑と捉えられても文句は言えないだろう。
すべては甲府のために共に勝利掴もう
甲府のためなら何をするのも厭わない、人生の大半を甲府に捧げる、そんな熱き情熱を注げるサポーターがいるのはすごく誇らしいことである。
ただ、
甲府のためってなんだろう
もう一度立ち止まって考える必要があるのではないだろうか。
人によって思いがある、考えがある、応援の仕方がある。
それを忘れてはいけない。
私自身、甲府への熱量、思いは毎試合ホームアウェイ問わず駆けつける方から比べたら弱いのかもしれない。足りないのかもしれない。
でも、甲府が大好きだ。どんなに弱くなっても連敗し続けてもサポをやめることはないはずだ。
思うところは各々あるとは思うが、信じるしかないと思う。甲府愛する友のために。